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ニシゴリラの「ナナ」よ やすらかに
 └─上野 2019/02/20

 上野動物園のニシゴリラのメス「ナナ」の死亡を、2019年2月20日に確認しました。36歳でした。


ニシゴリラ「ナナ」
(撮影日:2019年1月7日)

 ナナは1982年4月4日に生まれ、1987年から愛媛県立とべ動物園(愛媛県伊予郡砥部町)で飼育されていました。とべ動物園でも人気者でしたが希少なゴリラの繁殖のため、2006年12月にブリ-ディングローンで当園に来園しました。

 来園後、飼育されていたオスや他のメスのゴリラたちとともに群れでくらしていましたが、腫瘍が見つかってからは単独で生活をし、天気のいい日は屋外に出て、ゆっくりと体を休めているようすが見られました。

 当園での飼育の間、ナナ自身の繁殖には至りませんでしたが、他のメスが産んだ子どもを見守るなど、まわりのゴリラたちに気を使い、人に対しても愛嬌のある穏やかで優しい性格のゴリラでした。

 2017年の夏過ぎから食欲の低下が見られ、痩せてきていることが特に目立ったため、個別に管理して体力の回復を図ってきました。しかし体重減少に加えて不正出血が見られたこともあり、検査機器を用いて精密検査を実施したところ、腫瘍が見つかり多臓器に転移していることもわかりました。

 そのため、疾患の進行状況から根本的な治療が困難と判断し、ナナの生活の質(QOL)を良好に維持することを第一として飼育管理を行ってきました。

 2018年7月からは単独での飼育に変更し、鎮痛剤を投与して痛みをやわらげる治療を行うとともに、体調に合わせて居心地のよい場所を自ら選び、好きな食べ物をゆっくり食べられる環境を与えてきましたが、2月20日の朝、東園ゴリラ舎の室内で横たわり死亡しているところを、飼育担当が確認しました。死因は子宮腫瘍による多臓器不全でした。

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(2019年02月20日)


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