ケガをして保護され、大島公園動物園で飼育しているチョウゲンボウの雌雄ペアが卵を温め始めたのは、昨年(2018年)6月のことでした。
しかし抱卵していたのは地面の上。野生のチョウゲンボウはふつう、崖の岩穴などに営巣します。このまま無事孵化して育つのか不安でしたが、6月20日に1羽が孵化しました。
当初、オス親はえさのマウスを小肉片にちぎることもせず、丸ごとひなに押しつけ、ひなが食べられずにいると、オスが自分で食べ始めたこともありました。子育てに不安のよぎる出来事ですが、その後、小さくちぎって与えるようになりました。
【動画】オス親は持ってきたマウスを丸ごとひな押しつけている。
その後自分で食べ始め、途中からひなに給餌を開始した。2018年6月24日撮影
生まれたてのひなは真っ白な羽毛に包まれていましたが、徐々に茶色い羽毛が生えてきました。生後約1か月経った7月22日にはすっかり親と同じ姿になり、巣立ちを迎えました。
【動画】孵化後約1か月。羽ばたいて飛べるようになった。2018年7月21日撮影
ケガで保護された鳥が動物園で無事繁殖できて一安心です。
〔大島公園動物園 片田菜美〕
(2019年02月01日)