葛西臨海水族園の展示水槽「大洋の航海者:マグロ」では、2014年12月から2015年1月にかけて展示中のクロマグロ、ハガツオ、スマの死亡が続いた結果、一時は展示生物がクロマグロ1尾となりました。原因調査を進めるとともに、魚類を順次導入する展示回復の取組を開始してから1年経過し、再びマグロ類の群泳をご覧になれるようになりました。
そこで、以前の死亡が続いていた期間におけるマグロ類の死亡原因の調査結果と展示回復および現在の展示状況についてお知らせします。
1.現在の主な展示生物種(2016年4月7日時点)
・クロマグロ(スズキ目サバ科) 41尾
【内訳】
今年5歳魚(全長約150cm、体重約50kg) 1尾
今年2歳魚(全長約95~120cm、体重約15~25kg) 40尾
・スマ(スズキ目サバ科) 27尾
・ハガツオ(スズキ目サバ科) 12尾
2.死亡原因の調査結果と対策
専門家の助言を得ながら死亡原因調査をおこなってきましたが、単一要因によって減少に至ったとは特定できませんでした。
また、影響を与えた可能性がある複数の要因について対策を講じた上で、段階的に魚の導入を進め、マグロ類の再導入から約10か月が経過しましたが、現在も水槽内の環境は安定しています。
これらのことから、以前のマグロ類の減少は単一の要因によるものではなく、間接・直接的な複数の要因が時に重層化し、複合的に作用したものと判断しました。
3.今後の展示予定
クロマグロの群れ展示を継続していくためには、特定の年級群(同年齢)のみが多数を占めることがないよう、バランスを取りながら追加していくことが必要です。現在、今年2歳魚となる40尾が展示の中心となっていますが、毎年初夏に実施していた、後続の年級群となる1歳魚の定期的追加を再開する予定です。
2016年3月27日撮影
(2016年04月07日)