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マイマイカブリの大きな卵
 └─多摩  2015/02/13

 みなさんはマイマイカブリという昆虫をご存知ですか? 名前は聞いたことはあっても、その姿を見たことがある人は意外に少ないかもしれません。細く伸ばしたひょうたんのような形をしており、体長は30〜50ミリ、色は青紺色〜黒色、細長い首が特徴的なオサムシのなかまです。マイマイ(かたつむり)を食べることでよく知られています。

 まいまいかぶり……名前の響きもなんだか不思議ですよね。えさを食べるときにマイマイの殻に頭を突っ込み、頭にかぶっているように見えるため、マイマイカブリという名前がついたのではないかと言われています。

 


 以前は林やそのまわりの原っぱなどでもときおり見られましたが、そういった環境が少なくなったせいなのか、えさのマイマイが減ったためなのか、最近ではあまり見かけなくなったように思います。

 多摩動物公園昆虫生態園では昨年(2014年)12月から飼育を始め、今年の1月から展示しています。先日、飼育ケースを掃除していると、底に敷いた砂の中に産みつけられた卵を見つけました。卵の色は乳白色。大きさはなんと長径約1センチ。ナミアゲハの卵の直径が約1.2ミリ、カブトムシの卵は長径約2ミリ。これらと比較するとマイマイカブリの卵はかなり大きいと言えるのではないでしょうか。この卵から生まれてくる幼虫がいったいどのくらいの大きさなのか今から楽しみです。


マイマイカブリの卵


 今回生まれた卵は山砂を敷いたプラケースに入れ、ようすを観察しながら管理しています。元気な幼虫が孵化したら、幼虫も展示する予定です。幼虫は成虫からは想像できないような姿をしているようです。ご期待ください。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 草野啓一〕

(2015年02月13日)


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