井の頭自然文化園「野鳥の森」でくらしているオオコノハズクがこの冬に繁殖しました。2013年12月に入ってから、メスが巣箱から出てこなくなり「寒いからかな?」とようすを見ていたところ、12月9日に巣箱内で抱卵しているのを確認しました。天気予報で「この冬一番の冷え込み」というフレーズを聞くたびに卵は大丈夫だろうかとはらはらしていましたが、メスはしっかりと温めているようでした。
2014年1月3日、巣箱からチチチ……というひなの声が聞こえ、それからは餌の量を増やしても残らずなくなり、またさらに餌を増やすという日々が続きました。
12日にメスが水浴びをするために巣箱から出ていたので、そっと中をのぞいてみると、白いおまんじゅうのようなひなが2羽いました。その後も餌の量は増え続け、しまいには餌を与える時間になると催促するかのようにメスが巣箱から出てくるようになりました。夕方日が暮れるとピョ、ピョ、ピョ……と鳴くひなの声とともに、薄暗い中で餌を運ぶ親の姿も見られました。
1月22日、ひなが巣箱の入口から顔をのぞかせ、25日は1羽が巣箱の外の枝に止まりもう1羽が巣箱から顔を出していました。そして28日には2羽とも巣箱から出ていました。体の大きさは親と同じくらいですが、白っぽいふわふわした羽根に覆われています。よく見ると、オオコノハズクの特徴である耳のような「羽角」もしっかりあります。
親子で並んでいるようすをぜひ見に来てください。
写真上:ひなたでうとうとするひな
写真中:母鳥と一緒のひな(左)
写真下:並んでお休み中(右端が母鳥)
〔井の頭自然文化園飼育展示係 佐々木真己〕
(2014年02月07日)
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