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カモ舎スズガモ室、新装オープン
 └─井の頭 2012/10/26

 井の頭自然文化園水生物園のカモ舎スズガモ室で、およそ1か月かけて池の改良工事をおこないました。従来、カモ舎の池の面積は、展示室全体の5分の1から8分の1程度しかありませんでした。 

 マガモ、コガモなどの陸上をよく歩くいわゆる「淡水ガモ」を飼育するのであれば、このくらいの池面積の割合でも問題はありませんが、現在当園で展示しているスズガモ、ホオジロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロなどいわゆる「潜水ガモ」と呼ばれる水鳥は、おもに潜って餌を探す習性があります。そのため、足をバタつかせて水中をうまく泳げるように、淡水ガモよりも足がお尻寄りに付いていて、陸上を歩くのは余り得意ではありません。

 そこで、潜水ガモ専用の展示室を目指し、従来の池の面積を1.5倍に拡大し、水に潜って餌をとる本来の行動をお見せできるように深さを2.5倍(水深約50センチ)に掘り下げました。また、池を観覧側から近い所に広げて、水の上で生活する行動を観察しやすいようにしました。

 2012年10月5日、工事終了後初めてスズガモ3羽、ホオジロガモ2羽を展示しました。今まで陸上で餌を食べる習慣がついてしまっているためか、今のところ水に潜って餌の魚を食べる姿は見られませんが、明らかに池ですごす時間が長くなりました。
 今後、様子をみて同じ潜水ガモのホシハジロを移動することも検討しています。また、現在5羽飼育しているキンクロハジロのために、別の展示室でも池の改修を進める予定です。

写真:新しい池ですごすカモたち

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 池田正人〕

(2012年10月26日)



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