この時期、出産を毎年楽しみにしてくださっている来園者の方も多く、「赤ちゃんはまだですか?」と質問を受けることも多いプレーリードッグ──。今年も無事、赤ちゃんが巣穴から放飼場に出てきました!
プレーリードッグは、北米の草原で巣穴を掘って生活をする齧歯類(ネズミのなかま)。上野動物園でも、放飼場の巣穴の中で出産します。赤ちゃんは毛のない赤裸の状態で生まれ、そのまま1か月から1か月半前後、巣穴の中で成長し、放飼場に出てきます。
初めて赤ちゃんのすがたを確認したのは、2009年4月10日。ということは、2月の下旬から3月の初めに生まれたと推測できます。
放飼場デビューとなったこの日、赤ちゃんはまるで「もぐらたたきゲーム」のように、巣穴から放飼場へと続くトンネルから顔を出しては引っ込む行動を繰り返していました。ようやく全身を見せたと思ったら、来園者の方の声に驚いてピューッと巣穴へ舞い戻り、また「もぐらたたきゲーム」状態……。これを数回繰り返し、10分ほどの華々しいデビュー戦(?)を終えて、元の巣穴に戻って行ったのでした。生まれて初めて見る外の世界。慎重になる気持ちもよくわかります。
今は音にもだいぶ慣れたようすです。来園者の方から「かわいい~!!」という歓声にも驚くこともなく、放飼場で青草を食べたり、遊びに夢中になったり、元気に動き回っています。
2009年4月21日現在、3頭の赤ちゃん(いずれも性別不明)が放飼場に出てきています。大人の個体にくらべて頭でっかちな体型、ちまちまと動きながらもおぼつかない足取り……。けして期待を裏切らないかわいさだと担当者は自負しています! 毎年この時期にしか見ることができないすがたを、ぜひ上野動物園東園のプレーリードッグ放飼場まで見に来てください。元気いっぱいのプレーリードッグたちをごらんになるには、天気のよい日の午前10時ごろから午後3時ぐらいがおすすめです。
〔上野動物園東園飼育展示係 川崎繭〕
・東京ズーネットBB動画
「
プレーリードッグ」(2002年12月公開)
・東京ズーネットBB動画
「
プレーリードッグの子どもたち」(2004年4月撮影)
(2009年05月08日)