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新しいアカシュモクザメが仲間入り
 └─葛西  2013/11/29

 葛西臨海水族園に入って最初の水槽「大洋の航海者:サメ」で来園者のみなさんをお迎えするのは、頭がヘンテコな形をしたアカシュモクザメです。

 2013年11月11日、この水槽に4尾の新しいアカシュモクザメが仲間入りしました。

 アカシュモクザメは、世界の温帯の海に生息するメジロザメ目シュモクザメ科のサメです。沿岸から沖合にかけて、ときには100尾以上の大きな群れを成して泳いでいるのが目撃されることもあります。自然の海では、魚類や甲殻類やほかのサメ・エイのなかまなどを食べますが、水族園ではアジ、イカ、甘エビを与えています。

 シュモクザメのなかまの特徴は、何といってもあの頭の形で、仏具の鐘をならす「撞木」に似ていることからその名前がついたといわれています。英語では金槌に似ていることからハンマーヘッドシャークと呼ばれます。

 じつはあのヘンテコな頭の形にはいくつかの意味があるのです。まず、左右に広がった平べったい部分の下側には、ロレンチーニ器官と呼ばれる器官があります。生き物が発する微弱な電気を感じ取ることができるこの器官は、海底の砂の中に隠れている生き物を探して餌として食べることに役立ちます。また、舵としての役割もあり、水中で頭を上下左右に動かし巧みに泳ぐことができます。

 今回水族園にやってきた全長約80センチのアカシュモクザメは、鹿児島県笠沙町の漁師さんにお願いして、定置網に入ったものを集めてもらったものです。約1か月間、イケスで餌付けなどをして慣らしました。その後活魚トラックで鹿児島から約20時間かけてはるばるやって来ました。

 水槽に入れてから約2週間が経ち、水槽にも周りの先輩シュモクザメたちにも慣れました。みなさん、ぜひ会いに来てください。

写真上:先輩のアカシュモクザメにも慣れました
写真下:平べったい頭のアカシュモクザメ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 雨宮健太郎〕

(2013年11月29日)



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