井の頭自然文化園では、ボランティアが中心として実施する、さまざまなガイド活動をおこなっています。なかでも「ボトルウォッチング」は、小さな子どもたちにとても人気がある催しものです。
透明なビン(ボトル)や小さな水槽にいろいろな生き物を入れて並べ、ボランティアが解説をしながらお見せします。近くに寄って観察したり、ボトルを手にとって見たりできるので、生き物との距離がぐっと縮まるのが人気の理由でしょう。とくに子どもは、ボトルにぴったりと顔をつけてのぞきこんだり、準備してある虫眼鏡を使ってじっとながめていたりします。
お見せする生き物は時期によって変わります。アオダイショウ、イモリ、モツゴ、アメリカザリガニ、ヌカエビ、アカムシ、ヒルのなかま、ミズムシ、モノアラガイなど、さまざまです。この季節なら、ヒキガエルのオタマジャクシも見ることができます。アオダイショウなどは、こわがって最初は近づかない子どももいますが、体にきれいに並んだウロコや長~い舌に気づくと、じっと見入って離れない子どももいます。
さらに多くの子どもがくいついて離れないのは、アメリカザリガニにさわれるコーナーです。ここでは、大きなバットにザリガニを入れ、さわりかたやつかみ方を教えて、実際にさわってもらいます。バットのまわりは、夢中になってのぞき込む子どもたちで、いつもいっぱいになります。
じつは、ボトルウォチングで紹介している生き物のほとんどは、かつては身近で見られた生き物です。中にはヒキガエルやアメリカザリガニ、モツゴのように都下でも観察できる生き物もいますし、すべてが井の頭池でも見られる生き物です。また、アオダイショウは園内で採集されたものです。
でも、子どもたちのようすを見ていると、それらの生き物を見るのが初めて、という子どもたちが多いようです。子どもが生き物や自然とふれあう機会が減っているのでしょう。
次回のボトルウォッチングは、2007年5月20日(日)午後1時半から午後2時半まで、分園の水生物館前(雨天の場合は館内)でおこないます。時間内であれば、随時参加可能です。
ボトルウォッチングで生き物を近くでじっくり見たら、ぜひ野外に出て、生き物をさがしてみてください。
〔井の頭自然文化園教育普及係長 天野未知〕
(2007年5月18日)
|