催し物
特設展示「鳥々色々」研究室紹介──3
 └─井の頭 2009/12/17

 お待たせいたしました。井の頭自然文化園の特設展示「鳥々色々」内の「チョットコイ研究所」の中でもひときわ異彩を放つ研究室と言われている「鳥類色彩学研究室」の担当研究者、サド・トキコ・モレシャンです。

 鳥のもつ豊かな色彩に魅せられたワタクシの研究室では、美的観点から、羽根や虹彩の色について、日本の鳥を中心に研究しています。羽根や虹彩の色は、求愛や身を守るためのカモフラージュなど、鳥にとって実際に役立つものですが、その美しい色彩は、はからずも私たちの目も楽しませてくれます。

 一般に色の名前は、食べ物や鉱物、気象など、自然物をもとにつけられることが多く、鳥も古くから色の名前として使われてきました。たとえば、漢字で「翡翠」と書くカワセミの羽の色は、「翡翠色」(ひすいいろ)として色彩を表わす言葉になりました。

 ワタクシの羽根コレクションは、井の頭自然文化園で展示している和鳥を主としています。ヤマドリ5亜種の尾羽や、園内などで身近に観察できても羽根を採集することが難しい小鳥たち、まだ分類中ですがカケス1羽分の羽根など、見どころ満載です。

 また今回、みなさんに研究室を見ていただくにあたって、特別に多摩動物公園から借りて制作したトキの羽根標本も見逃せません。羽軸まで目の覚めるような朱鷺色(ときいろ)をしているのがご覧いただけるでしょう。

 鳥の虹彩もまた、宝石のような美しさがあります。雌雄で違っていたり、成長するにしたがって変化したり、赤系から青系まで、じつにさまざまです。精巧につくられた剥製用のガラス玉と写真パネルでお楽しみください。

 最後に、チョットだけ自慢させてくださいね。机の上に置いてある、和鳥の羽根で作ったコサージュつきの帽子のことです。これは、パリで開催される学会出席のためにあつらえました。他の研究者からムダづかいだと苦い顔をされていますけれど、素敵でしょう? 美しい帽子箱にもどうぞご注目あれ。

◎特設展示「鳥々色々」は2010年2月28日まで。
 くわしくはこちら

◎「鳥々色々」研究室紹介
  1 ヒトと鳥の関係学研究室
  2 鳥類音声学研究室

◎写真上から:
 「鳥類色彩学研究室」
 研究所内の卓上のようす
 鳥の羽根を使ったモビール

〔井の頭自然文化園教育普及係 高松美香子〕



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