井の頭自然文化園では現在、鳥をテーマにした特設展示「鳥々色々」を開催中です(2010年2月28日まで)。
先々週のニュースでは、この特設展示がどのような構想のもとに作られたかをご紹介しました。
今回は、各研究室の紹介の第1弾として、
「ヒトと鳥の関係学研究室」をご案内します。
ところで、みなさんにとって身近な鳥はなんですか? 来園者 287人の方々に身近な鳥5種をあげていただいたところ、上位3位はスズメ(214人)、 カラス(214人)、ハト(206人)の3種で、4位のニワトリ(68人)や5位のウグイス(58人)と大差がつきました。この3種が上位にくることは予想していましたが、ヒヨドリやムクドリ、オナガなど、身近にいながらも名前があがらない鳥があったり、ニワトリやインコ、アヒルなど、食用やペットとして身近な存在の鳥が上位に入っていたり、興味深い結果となりました。
ということで、「ヒトと鳥の関係学研究室」では、このアンケート結果を紹介するとともに、みなさんが身近な鳥としてあげたカラス、ハト、スズメの3種にスポットをあててています。というのも、あまりにありふれた鳥だからでしょうか、よく知られていない部分や誤解されていることも多く、また身近な存在であるからこそ、ヒトと鳥とのさまざまな関係が見えてくると思ったからです。
私自身、展示を作っていく過程で、新聞で取り上げられたカラスやハトの記事の多さや、園内で見られたハシブトガラスの驚くべき行動など、身近にいながら気づかなかったカラスやハトのおもしろさに「はまって」しまいました。
「ヒトと鳥の関係学研究室」では、
・ハシブトガラスの巣(東京電力提供)
・ハシブトガラスやスズメの剥製
・カラス、ハト、スズメに関連した新聞記事や本
・園内での行動記録ビデオ
などを通じて、身近な鳥たちの意外な事実を知ることができます。園内でのハシブトガラスやドバトウォッチングもお勧めです!
写真上:ヒトと鳥の関係学研究室
写真下:井の頭自然文化園園内でヤクシカの毛をむしるハシブトガラス。ヤクシカはそれほどいやがっていないようす
〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕
(2009年11月20日)