上野動物園では、世界ゴリラの日の企画として、約1か月間、使用済み携帯電話・スマートフォンの回収をおこないました。(
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そもそも、なぜ「世界ゴリラの日」にスマートフォンの回収?と思った方もいらっしゃるでしょう。野生のゴリラが多く生息するコンゴ民主共和国には、スマートフォンなどに含まれるレアメタル(希少金属)が豊富に存在しています。このレアメタルの採掘によって得られた資金が武装勢力にわたることで、紛争が長期化しています。そして、国内情勢が不安定になり、貧困が生まれ、生活費を稼ぐために森に入りレアメタル採掘に従事する人々がいます。これが森への侵入経路を作り、ゴリラの密猟やゴリラ肉の利用を容易にする原因となっています。ゴリラの保全をおこなうには、現地の「平和」を達成することも重要なのです。
上野動物園では、レアメタルのリサイクルを促すために使用済み携帯電話・スマートフォンの回収をおこないました。その結果、222台の携帯電話やスマートフォンが集まりました。ご協力くださったみなさま、ありがとうございました!
上野動物園での回収期間は終了しましたが、今年度「世界ゴリラの日」のイベントを連携して開催した、京都市動物園(2023年12月27日まで)、千葉市動物公園(2024年1月30日まで)、日本モンキーセンター(2023年12月24日まで)では、まだ回収をおこなっています。ぜひご協力をお願いいたします(詳しくは各園へお問い合わせください)。
上野動物園で回収した携帯電話やスマートフォンは専門業者に引き渡し、その対価として生じた6,660円は
認定NPO法人テラ・ルネッサンスに寄付され、コンゴ元少年兵復帰事業などに充てられます。現地の「平和」を達成し、ゴリラを保全する手助けになることを願っています。
スマートフォンのリサイクルだけでなく、物を大事にしたり、環境に配慮された商品を選択したりすることは、ゴリラをはじめとした野生生物を守ることにつながります。その第一歩として、ご家庭で眠っているスマートフォンなどがあれば、リサイクルに出してみてはいかがでしょうか?
使用済み携帯電話・スマートフォンの回収のようす
〔上野動物園教育普及係〕
(2023年12月07日)