※募集終了しました。
上野動物園では、2023年8月28日・29日の2日間で、
第6回野生動物保全繁殖研究大会を開催します(詳細は
野生動物保全繁殖研究会のホームページ参照)。
この研究大会は、専門家の方々が参加する学会ですが、この大会の開催を記念して、動物園などでの保全の取組みを知っていただく、
一般向けの公開シンポジウムを開催します。
動物園でおなじみのトラやヤマネコといったネコ科の動物は、捕食者として生態ピラミッドの上位に位置するアンブレラ種として、生態系の健全さをはかるものさしとみられることもあります。開発などによる生息地の分断、消失、密猟などの人間活動の影響を受けて絶滅の危険性が高い種も多く含まれます。
今回、実際におこなわれている保全の取組みをご紹介することで、みなさまといっしょに野生動物の保全について考えたいと思います。ぜひご参加ください。
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2023年4月28日に生まれたスマトラトラ | 2023年5月2日に生まれたアムールヤマネコ |
日時 2023年8月29日(火)13時30分〜15時30分
場所 恩賜上野動物園 管理事務所3階会議室(東京都台東区上野公園9-83)
※管理事務所は西園の管理エリアにあります。入場方法は参加者に別途ご案内します。
対象 どなたでもご参加できます
※内容は高校生以上を対象としています。
※中学生以下の方が参加される場合は、保護者の方もご同伴ください。
定員 80名(事前申込制)
※応募者多数の場合は抽選といたします。
※
野生動物保全繁殖研究大会に参加の方も申し込みが必要です。
参加費 無料
講演内容(予定)
①
「井の頭自然文化園が取り組むヤマネコの保全」
(唐沢瑞樹 (公財)東京動物園協会 井の頭自然文化園 飼育展示係
(公社)日本動物園水族館協会 生物多様性委員会 保全戦略部員・ツシマヤマネコ専門技術員)
井の頭自然文化園では、アムールヤマネコの飼育を2000年8月から始め、自然繁殖や人工授精によって個体数を殖やしてきました。増えた個体をもとに動物園の個体群が形成されてきましたが、近年は高齢化も進み繁殖が難しい状況となり、2021年11月に新しいペアを韓国から導入し繁殖を試みたところ、2022年(自然繁殖では16年ぶり)と2023年にそれぞれ4頭ずつの子が産まれています。
またツシマヤマネコは2006年11月から飼育を始め、人工繁殖推進施設として人工授精に取り組むなど、アムールヤマネコで得られた様々な知見や飼育技術を参考に、ツシマヤマネコ飼育園館や環境省と協力して繁殖に努めています。今回は文化園におけるヤマネコ飼育の歩み、アムールヤマネコのペアリングや出産記録、ツシマヤマネコの現況やトレーニングのようすなどを紹介しながら、『井の頭自然文化園が取り組むヤマネコの保全』についてお話します。
②
「性ホルモン動態と行動を指標にしたスマトラトラ繁殖の各取組」
(高岡英正 (公財)東京動物園協会 恩賜上野動物園 飼育展示課 東園飼育展示係
(公社)日本動物園水族館協会 生物多様性委員会 スマトラトラ専門技術員)
上野動物園では,希少種であるスマトラトラ(
Panthera tigris sumatrae)の繁殖に長年取り組んできましたが、1997年を最後に繁殖が止まっていました。繁殖を成功させるために2021年から新規のペアでペアリングを開始しました。性ホルモン値と行動の関連性を指標にしながら、「雌の専用空間の確保、給餌内容の変更、他雌との見合い」などの取り組みをおこなったところ、2023年1月に交尾にいたり、4月28日に2頭を出産しました(うち1頭は死産。
ニュース記事はこちら)。今回は各取組みの詳細と出産までの経緯についてお話しします。
③
「ネコ科動物における繁殖検診と生殖補助技術」
(栁川洋二郎 北海道大学 獣医学研究院 獣医学部門 臨床獣医科学分野 准教授)
飼育下においてネコ科動物における繁殖の成功が報告される一方、その陰にはなかなか妊娠・出産に至らない例が数多くあります。このような場合繁殖に関わる検査をおこなうことで、繁殖に至らない原因をある程度絞り込むことができます。検査結果をもとにホルモン剤を投与したり時には人工授精を実施したりするなど、生殖補助技術を適用し繁殖に成功した例が欧米を中心に報告されています。これまで動物園とおこなってきたネコ科動物における臨床繁殖学的な取組みについてお話いたします。
④
「ネコ科動物の繁殖推進にむけた非侵襲的な排卵確認と妊娠判定」
(楠田哲士 岐阜大学 応用生物科学部 動物繁殖学研究室 教授)
動物園のネコ科動物の多くは,動物園界の連携によって繁殖が計画的に管理されています。私たちは,絶滅危惧種のスマトラトラやチーター,環境省の保護増殖事業が進められているツシマヤマネコなど,様々なネコ科動物を対象に,繁殖生理の研究をおこなっています。糞を使うことで,動物に負担なく性ホルモン濃度の変化を追跡する方法を,複数の種で確立してきました。これらの方法を,飼育下繁殖の推進のために,発情兆候の把握,交尾後の排卵有無の確認,妊娠判定などに役立てています。動物園との繁殖生理研究の取組みについてお話しします。
※講演タイトルは変更になる場合があります。
※講演の順番が変わる場合があります
応募方法
受付フォームで以下のとおりお申し込みください。
お申し込みの際は、@tokyo-zoo.net及び@form.kintoneapp.comからのEメールを受信できるよう、迷惑メールフィルターやメールソフトを設定してください。特に携帯電話からお申し込みの方はご注意ください。
なお、お申し込み後に自動返信メールが届かない場合は、上野動物園 教育普及係までご連絡ください。
《こちらの受付フォームからお申し込みください》
※外部サイト(kintoneapp.com)に移動します。kintoneapp.comは、トヨクモ株式会社が管理運営するウェブサイトです。今回のプログラム参加者募集に際して応募者の方々からご提供いただく個人情報は、トヨクモ株式会社が管理するサーバーに厳重に保管し、目的のための使用終了後、すみやかに削除するなど、厳正かつ適正な運用をおこないます。
【問い合わせ先】上野動物園 教育普及係
TEL:03-3828-5171(代表) ※受付時間は9時30分〜17時
【締 切】
2023年8月13日(日)送信分まで有効 ※募集終了しました。
※応募はひとり1回に限ります。同じ応募者による複数の応募はすべて無効となりますのでご注意ください。
※応募者多数の場合は抽選とし、当落に関わらず8月16日(水)までにお知らせします。
その他
・順番や内容が変更になる場合もあります。
・講演会スタッフが記録撮影をおこないます。
・講演会実施後にアンケートを実施しますので、ご協力をお願いいたします。
・講演会のようすは、写真で記録し、個人が特定できないかたちで報告書などに使用する場合があります。
・野生動物保全繁殖研究大会に参加の方も申し込みが必要です。
(2023年08月01日)
(2023年08月05日:講演内容の修正)
(2023年08月13日:講演内容の追記)