催し物
2022年の干支は寅! スマトラトラをもっと知ろう
 └─ 2021/12/13(12/28更新)
 上野動物園では、トラのなかまのなかでもっとも小さいスマトラトラを飼育しています。

 スマトラトラは毛色が濃く、あごの毛が長いという特徴があります。インドネシアのスマトラ島のみに生息していて、その数はわずか約300頭と言われています。絶滅が心配されているため、動物園などの施設でも飼育と繁殖に取り組んでいます。

 上野動物園ではオス1頭とメス3頭を飼育していますが、このうち「ブラン」(オス)と「ミンピ」(メス)での繁殖をめざし、お見合いや同居などをおこなっています。

 スマトラトラはふだん単独で生活しており、メスがオスを受け入れるのは発情したときのみです。そのため発情の兆候を見逃さないように、飼育係が日々注意深く観察をしています。また、動物園にトラを見に来た人たちに、野生での状況を伝え、環境問題について考えていただけるように教育普及活動をおこなうことも、上野動物園でスマトラトラを飼育する大きな目的です。展示場では、野生の生息状況や環境問題についてのパネル展示をおこなっています。

 野生での生息数が減っている原因として、すみかとなる森が開発されて減少しているなどの理由があります。私たちがふだん使っている洗剤や化粧品、さらに加工食品などに使われているパーム油、その原料となるアブラヤシを育てるために森が開発されているのです。日ごろの買い物で環境にやさしい商品を選ぶことが、スマトラトラをはじめとする野生動物を守ることに繋がります。

 「寅年」をきっかけに、多くの方々にスマトラトラについてもっと知っていただくことができれば、それが保全への大きな一歩となるのです。

 保全のメッセージが隠れた上野動物園オリジナルの年賀状デザインを公開しました。こちらのページからダウンロードできますので、ぜひご利用ください。


上野動物園で飼育しているスマトラトラ

展示場に解説パネルを設置しました

 東園「ゴリラ・トラの住む森」エリアのスマトラトラの展示場では、これまでもトラの体の特徴などさまざまな解説を設置していましたが、2022年「寅年」を迎えるにあたり、ガラス展示コーナーの一部を干支展にリニューアルしました。スマトラトラの特徴や、保全の取組みについてご紹介しています。

 実際にスマトラトラを観察し、さらに干支展でよりスマトラトラについて詳しくなりましょう。「どんなものを食べているの?」「体が小さいけど子どもなの?」といった疑問が解決するかもしれません。ぜひお立ち寄りください。


干支展をおこなっているガラス展示コーナー

(2021年12月13日)
(2021年12月28日:解説パネルの設置について追記)



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