上野動物園の両生爬虫類館(ビバリウム)で、マダガスカル島の動植物についての特設展「マダガスカル──ゴンドワナの落としもの」を開催します。
期間 2009年3月17日(火)~12月27日(日)
午前9時30分~午後4時30分
場所 上野動物園西園の両生爬虫類館
「ゴンドワナ」というのは聞きなれない言葉かもしれませんね。これは、かつて地球に存在した「ゴンドワナ大陸」という巨大な大陸のことです。現在、アフリカ大陸の南東にあるマダガスカル島は、ゴンドワナ大陸の一部でした。
今から約8000万年前、まだ恐竜がいたかもしれないくらいの古い時代、マダガスカル島はゴンドワナ大陸からいち早く離れ、その後、どの大陸ともつながることはありませんでした。その結果、マダガスカル島の動植物は独自の進化を経て、他の地域とはまったくちがう、ユニークなものになりました。
マダガスカルといえば、有名なのはバオバブの樹やキツネザルのなかまでしょう。しかしじつは、「両生爬虫類の宝庫」でもあるのです。その生息種数は 600種を超え、面積あたりの種数でいえば、日本の約 2.6倍もの両生爬虫類がすんでいるのです。それだけでなく、まだ名前がつけられていない種も数百種はいるといわれています。そして、そのほとんどがマダガスカルだけに生息している「固有種」なのです。
今回の特設展では、パーソンカメレオン、ヤマビタイヘラオヤモリ、ホウシャガメ、キンイロアデガエルなど、14種ほどのマダガスカル固有の両生爬虫類を展示します。展示に使う植物も、なるべくマダガスカル原産のものにするようこだわりました。また、カメレオンはガラスごしではなく、直接見ていただけるようなくふうをこらしました。
解説パネルでは、カメレオンの舌が飛び出すしくみ、ヘラオヤモリのたくみな擬態、昼活動するヤモリと夜行性のヤモリのちがいなど、かれらの生活と進化の歴史について解説します。
最近、脚光を浴びつつあるマダガスカルですが、そこにすむ両生爬虫類についてはまだまだ知られていないようです。今回の特設展をつうじて、マダガスカルのユニークな動物たちについてぜひ知っていただきたい思っています。
※写真はパーソンカメレオン
〔上野動物園は虫類館飼育展示係 坂田修一〕
(2009年03月14日)
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