ツキノワグマにとって冬は“冬眠”するのが自然──そんな発想から始まった、上野動物園のクマの冬眠展示。今年(2009年)も12月23日、ツキノワグマのメス「クー」(推定2005年1月生まれ)の睡眠時間が21時間28分を記録し、“冬眠”に入ったと考えられます。
・これまでのクマ冬眠関連ニュース
「
クマ、ついに冬眠? 冬眠チャレンジ」
・冬眠展示を記録したビデオニュース
「
ツキノワグマの冬眠展示」
上野動物園でのクマの飼育史は長く、1882年の開園以来、戦中の3年を除き、つねにクマ類を飼育・展示しています。そこで! 上野動物園ではクマに焦点をあてた企画展を開催中!
期間 2008年12月20日(土)~2009年2月22日(日)
時間 午前10時~午後3時
会場 上野動物園西園「ズーポケット」
会場では、上野動物園のクマの飼育史をパネルで解説するとともに、ツキノワグマの野外調査の実際をビデオ映像やパネルでご紹介しています。
会場の中央には、
「シロクマ」の剥製を展示! ホッキョクグマが日本に初めてやってきた1902年当時、上野動物園では新潟県で捕獲された「アルビノ」のツキノワグマを飼育していました。アルビノとは、色素欠乏によって体が真っ白になる個体のこと。上野動物園では、このツキノワグマを「シロクマ」と呼んでいたため、北極産の白いクマは「ホッキョクグマ」と呼ぶことにしたのでした。剥製は、長岡市立科学博物館からお借りしたものです。
このほか、
ドラム缶をつかったクマ捕獲装置も展示。お子さんなら中に入れます(入口は閉まりませんので大丈夫!)。また、(アルビノではない)
ツキノワグマの剥製や、
クマが樹皮をはぎ取った樹木の実物も展示しました。
さらに冬眠に関連して、
生きたヤマネ、アオダイショウ、クサガメの冬眠展示、上野動物園での
クマ冬眠展示に関する解説ビデオなど、多角的に解説をこころみています。
会場は「西園」ですが、実際にツキノワグマを飼育している「東園」のクマ舎でも、クサガメとシマヘビの冬眠を展示するための水槽を設置しました。
企画展は、上記のとおり、2009年2月22日で終了。まだ1か月以上ありますが、お早めに!
写真上:「シロクマ」(ツキノワグマのアルビノ)
(長岡市立科学博物館所蔵)
写真中:ツキノワグマの剥製
写真下:ドラム缶製のクマ捕獲装置
(2009年01月02日)