催し物
多摩動物公園 干支のイベント2019
 └─ 2018/11/22

 2019年の干支は亥。当園では、亥年にちなみ、イノシシをテーマにした企画展や講演会を開催します。

1.干支展「3匹のいのしし」

 この企画展では、3匹の「いのしし」(イノシシ・ブタ・イノブタをイメージしたキャラクター)がナビゲーターとなり、来園者を対象に行ったアンケートの結果を導入として、身近でありながらあまり知られていないイノシシの世界をのぞいていきます。
 イノシシの驚きの身体能力、イノシシとブタの複雑な関係、長い長いイノシシと人との歴史など、みなさんの知らないイノシシの姿がいくつも見えてくるかもしれません。

期間 2018年12月20日(木)~2019年3月31日(日)4月7日(日)
   9時30分~16時30分

   ※好評につき期間を延長します。
場所 ウォッチングセンター 1階
内容
 はじめのおはなし:
  みんなにとってのイノシシとは ~98人のアンケート結果から
 2番目のおはなし:
  イノシシが先か、ブタが先か、それが問題だ ~イノシシとブタの関係・ブタのこと

干支展チラシ
 3番目のおはなし:
  イノシシは本当に猪突猛進? ~イノシシってすごい!
 4番目のおはなし:
  クロマメとキントンの24時間 ~動物園のイノシシ
 5番目のおはなし:
  むかしむかしのおはなし ~縄文時代からつづくイノシシと人の関係
 6番目のおはなし:
  どうなっているの? イノシシと人
 さいごのおはなし:
  これからのイノシシと人

干支の講演会「イノシシは本当に猪突猛進?」

 干支展「3匹のいのしし」の開催にともない、イノシシをテーマにした講演会を開催します。
 知っているようで知らないイノシシの本当の姿や、イノシシと人の深い関係、また、生態系のなかでのイノシシの役割などについて、2人のイノシシ研究者をお呼びして紹介します。講演会の後には、イノシシ舎前で飼育担当者によるミニガイドもおこないます。

日時  2019年1月13日(日) 13時~16時
場所  ウォッチングセンター内 動物ホール
対象  小学生以上
定員  100名 ※事前申込制(先着順)
参加費 無料(入園料も無料となります)
内容
◆講演1「イノシシの変身物語と知られざる姿」
 高橋春成 氏(奈良大学 名誉教授)

【要旨】
 イノシシは、古くから世界各地で狩猟の対象となってきた。それは、特にイノシシの美味な肉を得るためであった。このようなイノシシは家畜化され、ブタとなって世界中で飼育されてきた。世の中には、家畜化されたブタが再び野生化したもの、移入されたイノシシ、イノシシとブタをかけ合せたイノブタなど、いろいろな顔をもったものもいる。いずれも、人とイノシシの強い関わりの結果である。
 ところで、私たちはイノシシのことを知っているようで実態をあまり知らない。よく言われる「猪突猛進」は、狩猟でイノシシが追われたときなどの一時的な状態からイメージされたものであって、いつもはそうではない。また、「山の動物である」というイノシシのイメージも、近年の琵琶湖、瀬戸内海、九州各地などの湖や海を泳ぎ島に渡っている実態から、改めなければならないだろう。そのほかにも、私たちが知らないイノシシの姿がある。

【高橋氏プロフィール】
 1952年滋賀県生まれ。奈良大学名誉教授、博士(文学)。専門は生物地理学。
 現在、農林水産省農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー、大阪府シカ・イノシシ保護管理検討会会長、滋賀県イノシシ保護管理検討委員会座長、シシ垣ネットワーク代表などを務める。
 著書に『野生動物と野生化家畜』(単著、大明堂、1995年)、『イノシシと人間-共に生きる‐』(編著、古今書院、2001年)、『滋賀の獣たち‐人との共存を考える‐』(編著、サンライズ出版、2003年)、『亥歳生まれは、大吉運の人』(単著、三五館、2004年)、『生きもの秘境のたび』(単著、ナカニシヤ出版、2008年)、『人と生き物の地理 改訂版』(単著、古今書院、2010年)、『日本のシシ垣‐イノシシ・シカの被害から田畑を守ってきた文化遺産‐』(編著、古今書院、2010年)、『泳ぐイノシシの時代‐なぜ、イノシシは周辺の島に渡るのか?‐』(単著、サンライズ出版、2017年)。


高橋氏とシシ垣

◆講演2「イノシシのくらしを調べる──イノシシは害獣か??」
 小寺祐二 氏(宇都宮大学 准教授)

【要旨】
 イノシシは、更新世の中期から後期にかけて日本列島にやってきました。その後、3万6千年ほど前にヒトが日本列島に到達することで、日本におけるヒトとイノシシとの関係が始まりました。
 近年、農作物被害や人身被害が発生し、害獣として取りざたされるイノシシですが、当初から単に害をなす動物だったのでしょうか。ヒトとイノシシとの関係史を紐解きつつ、イノシシの生態について解説し、どのような変遷を経て、現在に至ったのか考えてみたいと思います。

【小寺氏プロフィール】
 1970年東京都生まれ。平成13年に東京農工大学大学院連合農学研究科博士課程資源・環境学専攻修了後、2003年に島根県中山間地域研究センターに特別研究員として奉職。2006年に長崎県の鳥獣対策専門員として奉職し、2009年に宇都宮大学農学部附属里山科学センター特任助教に就任。2014年に現職(宇都宮大学 雑草と里山の科学教育研究センター 准教授)に至る。
 主にイノシシを対象として野生動物管理学に関する研究に取り組んでいる。
 著書に、『日本列島の野生生物と人』(分担執筆、世界思想社、2010年)、『イノシシを獲る ワナのかけ方から肉の販売まで』(編著、農文協、2011年)、『野生動物管理のためのフィールド調査法』(編著、京都大学出版会、2015年)、『社会的共通資本としての森』(分担執筆、東京大学出版会、2015年)、『野生動物の管理システム クマ・シカ・イノシシとの共存をめざして』(分担執筆、講談社、2015年)、『とちぎの野生動物 私たちの研究のカタチ』(分担執筆、随想舎、2016年)、『野生動物の餌付け問題』(分担執筆、地人書館、2016年)、『生態学が語る東日本大震災 -自然界に何が起きたのか-』(分担執筆、文一総合出版、2016年)。


イノシシによる被害状況を調査

応募方法
 往復はがきまたはEメールで以下のとおりお申し込みください。

○往復はがき
 往信面に参加者全員の氏名(ふりがな)・年齢、代表者の住所・氏名・電話番号を記入し、返信面に代表者の住所・氏名を明記のうえ、以下の宛先までお申し込みください。

  【宛 先】〒191-0042 日野市程久保7-1-1
       多摩動物公園「イノシシ講演会」係
  【締 切】2019年1月6日(日)当日消印有効
       ※11月22日(木)から募集を開始し、先着順とします。
        締切前に定員に達した場合は、ホームページでお知らせします。

○Eメール
 boar@tokyo-zoo.net宛に、件名を「イノシシ講演会参加希望」とし、本文に参加希望者全員の氏名(ふりがな)・年齢(学年)、代表者の住所・氏名・電話番号を記入してお送りください。
 お申し込みの際は、@tokyo-zoo.netからのEメールを受信できるよう、迷惑メールフィルターやメールソフトを設定してください。特に携帯電話からお申し込みの方はご注意ください。

  【締 切】2019年1月6日(日)送信分まで有効
       ※11月22日(木)から募集を開始し、先着順とします。
        締切前に定員に達した場合は、ホームページでお知らせします。

※お申込みの際ご提供いただいた個人情報は、当該イベントに関するご連絡のみに使用します。
 また、データの保管や削除など、個人情報については厳重な管理をいたします。

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(2018年11月22日)
(2019年03月28日:干支展の期間を延長)


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