葛西臨海水族園では、2016年1月29日(金)、30(土)、31日(日)の期間、「深海」の世界を紹介する「深海ラボ」を開催します。今回のテーマは
「ディープな東京、遠くて近い深海」で、「東京の海にある深海」にスポットをあてます。遠い世界のように思える深海の世界が、私達の身近な東京の海にも広がっています。そんな東京にある深海や深海生物の魅力を、スタッフが解説します。
また、今回は国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の協力で、東京の深海にある特殊な環境も紹介します。目の前の東京の深海がどのようなところか、のぞきにきてみませんか?
日時 2016年1月29日(金)、30(土)、31日(日)
各日 12時~13時30分
場所 葛西臨海水族園本館2階「レクチャールーム」
内容
①貴重な深海生物の生体・標本の展示
当園の調査で採集された貴重な深海生物の生体・標本を紹介します。触れることができる標本も用意します。
②JAMSTECコーナー
小笠原沖にある日光海山の水深約500m地点に存在する熱水噴出孔で見られる独特な生態系について、パネルや模型、調査映像などで紹介します。
③
特別企画1 深海トークショー
④
特別企画2 世界初!? メンダコの卵と幼生の標本を展示
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さわれる深海の生き物も | JAMSTECコーナーのイメージ (熱水噴出域のジオラマ) |
特別企画1 「深海トークショー」
「深海ラボ」の開催に合わせ、葛西臨海水族園およびJAMSTEC研究者による「深海トークショー」をおこないます。深海生物の採集と飼育について、また特異な生態系である熱水噴出域で見られる生物についてやさしくご案内します。
日時 2016年1月29日(金)、30(土)、31日(日)
各日 第1回:11時~11時30分
第2回:14時~14時30分
場所 本館2階 レクチャールーム
定員 各回60名
内容
1月29日(金)
「謎だらけの生きもの!メンダコ飼育への挑戦!!」
小味亮介(葛西臨海水族園 飼育展示係)
1月30日(土)
「小笠原の深海と高熱温泉でみつかった風変わりな生き物」
滋野修一氏(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)
1月31日(日)
「東京湾での深海生物採集」
松村 哲(葛西臨海水族園 調査係)
【滋野修一氏のプロフィール】
岡山大学自然科学研究科博士課程修了、理化学研究所発生再生科学総合研究センター研究員、シカゴ大学神経生物学科助教を経て、現在、海洋研究開発機構海洋生物多様性研究分野研究員。研究テーマは、熱水および超深海域の極限環境における環境応答様式の解明、海洋動物の脳と知性の進化など。
滋野修一氏
参加方法
各回開始20分前から本館2階レクチャールーム前で受付票を配布します。受付時間中に定員に達した場合には、抽選とさせていただきます。
特別企画2 世界初!? メンダコの卵と幼生の標本を展示
メンダコ卵と幼生の標本を特別に展示します。貴重なメンダコの卵と幼生の標本をこの機会にせひご覧ください。
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泳ぐメンダコ | 今回展示されるメンダコの幼生(大きさ約10mm) |
日時 2016年1月29日(金)、30(土)、31日(日)
各日 12時~13時30分「深海ラボ」開催時間中
場所 本館2階 レクチャールーム 「深海ラボ」会場
展示標本 メンダコの卵と幼生の液浸標本 各1
これまでの経緯等
この卵は当園の予備飼育室で飼育していたメンダコのメスが2015年4月16日に産み落とした2つの卵のうちの一つです。このメンダコは2015年3月17日に静岡県戸田港沖の水深約150mで採集されました。タコの仲間は岩などに卵を産みつける習性があるため、水槽の底に産み落とされていた今回の産卵は正常なものでは無かったと思われます。産卵したメンダコは産卵当日に死亡しており、この卵が受精しているかどうかは不明でした。
そのまま経過を観察していたところ、およそ半年後の2015年10月19日~20日の未明にかけて、幼生が孵化したと考えられます。20日の朝に職員が確認した際には、孵化の途中段階であった幼生はすでに死亡していました。
メンダコの生態はほとんど分かっておらず、繁殖生態も不明です。飼育下でのメンダコの産卵や孵化の例は知られておらず、今回が世界で初めての事例であると考えられます。
(2015年12月24日)