こちらのページでお知らせしたとおり、2015年の開園記念イベントとして、
「3species in 3days──水族園がお届けする3種の生き物の特別な3日間」を開催します。
開園記念イベントの一つ「魚ッチング! 飼育係からの挑戦!!」は園内でお配りしているクイズシートを使用し、飼育係になったつもりで生き物(クロマグロ、トビハゼ、フンボルトペンギン)をじっくり観察し、問題に挑戦する、3日間限定のイベントです。当ページでは、このクイズシートの答と解説を掲載します。

クイズシート
クロマグロ
Q:クロマグロの体の後ろほうをよく見ると、両側に小さな黄色いひれがならんでいます。これは「小離鰭」(しょうりき)と呼ばれるひれです。さて、クロマグロの背中側には、いくつの小離鰭があるでしょう?
A:8〜9枚

クロマグロ
解説
クロマグロは一生の間、外洋を速いスピードで止まることなく泳ぎ続けます。もっとも速いときはなんと、時速80キロメートルにも達するといわれています。そんなクロマグロの体には水の抵抗を少なくするためのいろいろな工夫があります。そのひとつが小離鰭で、クロマグロが速く泳いだときに体の周りにできる渦を整えて、水の抵抗を減らす役割をしています。この小離鰭はサバ科の魚の特徴のひとつです。ちなみに、クロマグロのお腹側の小離鰭は7~8枚で、マグロの種類によって上下の数は違います。
トビハゼ
Q:干潟でくらすトビハゼは、とても興味深い行動をします。次の行動のなかでトビハゼが実際にやるものはどれでしょう? 答はひとつではありません。
①ジャンプ ②逆立ち ③目をひっこめる
④ガラスや壁にはりつく ⑤尾びれをくねらせて威嚇する
A:①ジャンプ、③目をひっこめる、④ガラスや壁にはりつく
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トビハゼのジャンプ | 上:普段のようす 下:目をひっこめた瞬間 | 葦にくっついているようす |
解説
①ジャンプ
移動のときや、繁殖期(水族園では8月頃)にオスが求愛のジャンプをします。
③目をひっこめる
まぶたはないのでまばたきはできませんが、目をひっこめて、目の乾きを防ぎます。
④ガラスや壁にはりつく
腹びれが吸盤のように変化しており、はりつくことができます。時々ガラスにくっついていることがあります。
なお、⑤の行動の「尾びれをくねらせる」は、威嚇ではなくオスの求愛行動のひとつです(以下にある動画をご覧ください)。東京湾では6~7月頃、水族園でも8月頃にこの行動を観察することができます。
◎「尾びれをくねらせる」トビハゼのオスの求愛行動(45秒)
フンボルトペンギン
Q:冷たい水のなかを泳ぎ回るペンギンは、体が水でぬれるのを防ぐために、体から出る脂を羽にぬって手入れをします。では、その脂は体のどこから出るのでしょう?
①総排泄孔(おしりの穴) ②尾のつけね ③くちばし
A:②尾のつけね

尾のつけねの羽の下にある尾脂腺(びしせん)
解説
ペンギンには、体を冷やさないためのさまざまな工夫があります。1平方センチメートル辺り10枚程の密度で生えている羽は、皮膚と水とのあいだに空気の層をつくり、直接体に水が触れるのを防いでいます。さらに、この羽に脂をぬることで、水を弾きやすくし、より体に水が浸みにくくしているのです。脂が出てくる場所は、尾脂腺(びしせん)と呼ばれ、尾のつけねの羽の下に隠れています。
ちなみに、①総排泄孔(おしりの穴)からは糞と卵が出てきます。また、③くちばしには鼻孔(鼻の穴)があり、ここから体の中にたまった塩分を出すことができます。その時には「プルプル」と首を振るようすが見られるので、観察してみてください。
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総排泄孔(おしりの穴) | 鼻孔(鼻の穴) |
(2015年10月10日)