催し物
カエルの都合? アズマヒキガエルの産卵観察会
 └─葛西  2008/02/29

 今年(2008年)は例年になく寒い日が続いています。関東地方では2月23日に春一番が吹き、これから少しずつ暖かくなっていくことでしょう。

 葛西臨海水族園では、暖かくなると「水辺の自然」エリアにアズマヒキガエルが産卵にやってきます。アズマヒキガエルは本州の近畿から東側に分布している、一般に「ガマガエル」とか「イボガエル」などと呼ばれているあのカエルです。

 アズマヒキガエルの産卵は「抱接」(ほうせつ)といって、オスがメスを背中側から抱きしめるようにしておこなわれます(写真)。

 メスの産卵が始まると、上に乗ったオスが放精し、卵を受精させます。産卵場所にはたくさんのオスが集まってきます。確実に自分の子孫を残すためには、他のオスに負けないようにいち早く、しかもしっかりとメスをつかまえる必要があるのです。何匹ものオスが1匹のメスを奪い合う行動がまるで争っているように見えることから、この産卵のようすは「カエル合戦」とも呼ばれます。

 国際カエル年の今年、水族園では、ふだん公開していないカエルの産卵場所にみなさんをご案内する「産卵観察会」を実施する予定です。通常の観察会では事前に日時をお知らせできるのですが、この観察会では、いつ始まり、いつ終わるのかは、カエルしだい。開催するかどうかは当日にならないとわかりません。開催するときは、当日、ゲート付近で案内の掲示をする予定です。お問い合せは、葛西臨海水族園の代表電話 03-3869-5152 まで。

 アズマヒキガエルの産卵の始まりは、気温の上昇や降雨などが関係しているといわれています。週間天気予報によると「国際カエルの日」である2月29日あたりにはぐっと気温も上昇するとのことで、期待も高まっています。産卵が観察されるのは1週間程度です。

〔葛西臨海水族園展示飼育係 橋本浩史〕

(2008年02月29日)



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