催し物
3/5、6 北海道海鳥センターと共同開催! 講演会「つどえ オロロ~ン!」
 └─葛西 2022/02/10
葛西臨海水族園では、オロロン鳥とも呼ばれるウミガラスをテーマにした海鳥イベント「つどえオロロ~ン!」を今年度も開催します。

 今年度は2日間開催します。1日目は北海道海鳥センター(※)で開催されるサイエンスカフェ「海鳥と漁業の未来」をオンラインで中継します。北海道近海でおこなわれている刺し網漁での海鳥混獲回避の取組みについて、研究者や海洋・海鳥保全の専門家、漁業者がそれぞれの視点で紹介します。
 2日目は「海鳥保全の模範例」をテーマとした講演会をオンラインで開催します。伊豆諸島鳥島のアホウドリやカリフォルニアのウミガラスの事例を紹介します。また、海外の研究者からのビデオレターや自分たちがくらす地域の自然に触れ、環境を守る取組をおこなう北海道羽幌高等学校の生徒による発表など、盛りだくさんの内容です。

 さらには、アンケートに答えてくれた方のなかから抽選ですてきな海鳥関連グッズが当たるプレゼント企画も予定しています。

※北海道海鳥センター
 北海道苫前郡(とままえぐん)羽幌町(はぼろちょう)にある日本で唯一の海鳥専門施設です。葛西臨海水族園は、海鳥センターを有する羽幌町と2018年11月にパートナーシップ協定を結び、海鳥や海鳥がくらすことのできる生息環境の保全、また地域振興に向けて、共に活動をしています。

アホウドリの親子
(写真撮影:長谷川博氏)
天売島のウミガラス
(写真撮影:青塚松寿氏)

日時  2022年3月5日(土)13時30分~15時30分
        3月6日(日) 13時30分~16時


場所  ウェブ会議サービス「Zoom」を使ったリモートで実施

対象  どなたでもご参加できます
    ※内容は高校生以上向けです。

定員  100名 ※事前申込制(先着順)

参加費 無料 ※通信料は参加者ご自身の負担となります。

内容

1日目:2022年3月5日(土) 13時30分~15時30分

【お問い合わせ先】北海道海鳥センター 電話:0164-69-2080

◆サイエンスカフェ「海鳥と漁業の未来」第22回はぼろサイエンスカフェ「海鳥と漁業の未来」
 多くの海鳥がくらす北海道の沿岸は、同時に豊かな漁場でもあります。人も海鳥も、同じ海を利用しています。
 今回のサイエンスカフェでは、海鳥が漁網にかかってしまう「混獲」を防ぐためにおこなわれた調査についての報告や、調査に協力している漁師による持続可能な漁業への取組みを紹介し、海鳥と漁業の未来について考えてみたいと思います。

【話題とゲストスピーカー】
◆第1部(13時40分~14時10分)
 「漁業と海鳥の共存に向けて」

 鈴木康子 氏(バードライフ・インターナショナル 海洋・海鳥保全担当オフィサー)

【要 旨】
 漁業で狙った獲物以外が網や針にかかってしまう「混獲」によって、世界中で多くの海鳥が犠牲になっています。私たちの生活に欠かせない豊かな海では海鳥たちも役割を担っており、漁業と海鳥の共存に向けた取組みが必要です。今回は、海鳥の混獲削減をめざして漁業者さんにご協力いただいている活動の経緯などを紹介します。

【鈴木氏プロフィール】
 アメリカで水産資源回復と海鳥保全間の軋轢に関する研究に10年以上従事したのち、2018年から現職。漁業と海鳥の共存をめざして、日本の漁業関係者、サプライチェーン、行政、消費者への働きかけをおこなっている。野生生物学博士。


鈴木康子氏

◆第2部(14時10分~14時40分)
 「刺し網漁による海鳥混獲の改善を目指した協働的調査」

 佐藤信彦 氏(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター博士 研究員)

【要 旨】
 いま、さまざまな立場の人たちが協力し合って、海鳥混獲の問題を解決に導こうと奮闘しています。刺し網漁による海鳥混獲について、混獲が起こる条件を調べるために漁業者さんといっしょに取り組んでいる調査、混獲の回避策を開発するために水族園と共同で取り組んでいる研究内容を紹介します。

【佐藤氏プロフィール】
 2017年総合研究大学院大学にて博士(理学)取得。東京大学大気海洋研究所での特任研究員を経て、2021年から現職。鳥類と魚類を主な対象として、社会ニーズに応えうる研究に取り組んでいる。


佐藤信彦氏

◆第3部(14時40分~15時10分)
 「豊かな海を未来に繋ぐ消費者と漁業者の行動」

 小笠原宏一 氏(inakaBLUE 代表)

【要 旨】
 資源管理の重要性が高まりつつあるなかで、水産資源の持続可能性を高めるため活動してきました。よりよい資源管理を実行しようとすると漁業者の経営や活動が維持できなくなるジレンマがあります。その課題をどう乗り越えるのか。今後、日本全国の持続可能な漁業がぶつかる課題と解決の糸口を紹介します。

【小笠原氏プロフィール】
 北海道苫前町の漁師。2019年、漁業と漁村地域の持続可能性を高める「苫前ミズダコFIP」を開始。2021年、100年後もタコが獲れる海を残し、漁村コミュニティを未来につなぐ「inakaBLUE」を立ち上げ。2022年、消費者とともに豊かな海をつくるプロジェクト&商品「ReTAKO」を発表。


小笠原宏一氏

2日目:2022年3月6日(日) 13時30分~16時
◆第1部(13時40分~14時30分)
 「アメリカ西海岸におけるウミガラスの集団繁殖地復元プロジェクトの成功事例」

 松井 晋 氏、岩原真利 氏、マイケル・W・パーカー 氏

【要 旨】
 1980年代のアメリカ西海岸の海では、刺し網による混獲、油流出事故、エルニーニョ現象などの影響でウミガラスの個体数が急激に減少しました。この危機的な状況でパーカー氏率いるプロジェクトメンバーは、ウミガラスの姿が消えた集団繁殖地にデコイや音声装置を設置して、繁殖個体を誘引する作戦を開始しました。
 本講演では、パーカー氏から提供していただいた資料に基づいて、デビルズ・スライド・ロックのウミガラス復活プロジェクトの成功例を紹介します。また、海外の事例を参考に環境省が主体となって2003年から進めている日本のウミガラス(絶滅危惧IA類)の保護増殖事業の取組みと成果も紹介します。

【松井氏プロフィール】
 1978年大阪府生まれ。東海大学生物学部生物学科講師。博士(理学)。専門は鳥類生態学。前職で環境省のアクティングレンジャーとして天売島(てうりとう)のウミスズメ科鳥類の保全に取り組んだ。現在は主にスズメやシジュウカラなどの陸鳥の生態や、鳥類の卵表面の構造と機能に関する研究をおこなっている。
 分担執筆の著書に『鳥類の生活史と環境適応』(北海道大学出版会)、『はじめてのフィールドワーク③日本の鳥類編』(東海大学出版部)など。


松井晋氏

【岩原氏プロフィール】
 野生動物に関心があり、動物行動学を通して生態系保全に携わりたいと思い動物行動学を大学で学ぶ。2015年から霊長類の研究施設に勤務。2017年からは環境省羽幌自然保護官事務所に勤務し、海鳥が自然状態で安定的に存続できる状態をめざして、ウミガラスを含む希少鳥類の生息状況調査および保全対策に取り組む。


岩原真利氏

【パーカー氏プロフィール】
 マイケル・W・パーカー(Michael W. Parker):デビルズ・スライド・ロックのウミガラスの集団繁殖地復活プロジェクトのリーダーを務めた。現在は非営利組織(NPO)のCalifornia Institute of Environmental StudiesでExecutive Directorとして活動する。


マイケル・W・パーカー氏

◆第2部(14時30分~14時50分)
 「羽幌シーバードフレンドリー(SBF)プロジェクト~これからもつづく地球のために~」

 北海道羽幌高等学校1年生

【要 旨】
 羽幌高校の総合的な探究の時間では、羽幌周辺の自然環境や地球環境について学び、その環境を守るためには、自分たちが生活する町に関わる多くの人々の協力が必要不可欠であるということを理解しました。樹木調査や海岸清掃といった自分たちの手でおこなえることのほかに、地域団体や産業を巻き込んだ取組みが非常に有効であること、また自然環境の保全が、地域産業の振興と密接に関わっていることを学びました。
 来年度以降は今年度おこなった調査(樹木調査、マイクロプラスチック調査など)で得られたデータと過去数年のデータを比較し、羽幌町における環境の変化を具体的な数値を基に考察したり、よりよい調査方法などを模索したりする必要があります。また、継続的にこれらの活動をおこなうために、次の1学年への確実な引継ぎをおこなっていきたいです。


羽幌高校1年生

◆第3部(14時50分~15時40分)
 「50羽から5,000羽へ:オキノタユウの再生をめざして」

 長谷川 博 氏(東邦大学 名誉教授)

【要 旨】
 大型の海鳥オキノタユウ(アホウドリ)は、羽毛を目当てに乱獲され、地球上から絶滅したと信じられていましたが、1951年に伊豆諸島最南部の鳥島で約10羽の生存が確認され、再発見されました。それから25年後の1976年に、ぼくはこの鳥を再生へと導くための保護研究に着手しました。以来毎年、繁殖状況を調査し、分析して保護計画をまとめ、多くの人びとと協力して、それらを実行に移してきました。保護の努力が実を結び、2018年に鳥島集団のつがい数はついに1,000組を超え、総個体数は5,000羽に達しました。
 近年、繁殖集団は毎年9%ずつ(約8年で2倍に)増加しているので、2026年ごろに約10,000羽になると予測されます。この鳥の再生は確実になりました。

【長谷川氏プロフィール】
 1948年静岡県生まれ。京都大学大学院で動物生態学を学ぶ。1977年東邦大学理学部助手、2014年東邦大学を定年退職し、名誉教授。吉川英治文化賞、日本学士院エジンバラ公賞、全米野生生物連盟保全功労賞などを受賞。近著に『オキノタユウの島で』(偕成社、2015年)。


長谷川博氏

応募方法

 受付フォームで以下のとおりお申し込みください。

 お申し込みの際は、@tokyo-zoo.net及び@form.kintoneapp.comからのEメールを受信できるよう、迷惑メールフィルターやメールソフトを設定してください。特に携帯電話からお申し込みの方はご注意ください。
 なお、お申し込み後に自動返信メールが届かない場合は、葛西臨海水族園 教育普及係まで電話にてご連絡ください。

こちらの受付フォームからお申し込みください

 ※外部サイト(kintoneapp.com)に移動します。kintoneapp.comは、トヨクモ株式会社が管理運営するウェブサイトです。今回のプログラム参加者募集に際して応募者の方々からご提供いただく個人情報は、トヨクモ株式会社が管理するサーバーに厳重に保管し、目的のための使用終了後、すみやかに削除するなど、厳正かつ適正な運用をおこないます。

 【問合わせ先】葛西臨海水族園 教育普及係 03-3869-5152(代表) ※受付時間は9時30分〜17時
 【締   切】2022年2月28日(月)送信分まで有効

※2月10日(木)から募集を開始し、先着順で受け付けます
※締切前に定員に達した際は、葛西臨海水族園公式サイトでお知らせします。
※お申し込みの際ご提供いただいた個人情報は、当該プログラムに関するご連絡のみに使用いたします。
 また、データの保管や削除など、個人情報については厳重な管理をいたします。

応募の注意事項

  1. 応募はひとり1回に限ります。また、1回につきひとり分のみ応募できます。同じ応募者による複数の応募はすべて無効となりますのでご注意ください。
  2. 本プログラムはウェブ会議サービス「Zoom」を用いて実施します。接続に必要なPC環境はご自身でご用意ください。
  3. このプログラムへの参加は無料ですが、通信料は参加者ご自身の負担となります。
  4. ウェブ会議サービス「Zoom」への接続に必要なURLなどは、参加者にメールにてお知らせします。お申し込み時に記入いただいたメールアドレス宛に招待メールをお送りします。@tokyo-zoo.netおよび@form.kintoneapp.comからのEメールを受信できるよう、迷惑メールフィルターやメールソフトを設定してください。

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況により内容は変更される場合があります。
※実施についての最新の情報は葛西臨海水族園公式サイトをご確認ください。

(2022年02月10日)



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