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子どもたちの「夢」をかなえました
 └─2008/05/02

 上野動物園の子ども動物園は、2008年4月10日で開園60周年をむかえました。これを記念して、子ども動物園で体験したい「夢」を募集していました。当選発表はこちらのニュース

 3月22日から4月6日、応募総数は 1,462。いろんな「夢」を送っていただきましたが、子ども動物園では実現できないものなどを除き、まず三つの夢を選びました。

 一つめは「ウサギに餌をやったり、世話をしたい」という夢。2008年4月20日、選ばれた3名が2時間半にわたって、飼育作業やブラッシングなどを体験しました。

 二つめは「ヤギの飼育係になりたい」という夢。子ども動物園にうってつけの夢です。同じく4月20日、長靴にはきかえ、寝小屋の掃除や餌の準備などにとりくむ子どもたち。小さい体ながら、大きなホウキで作業するようすは誇らしげでした。

 三つ目は「在来馬と散歩がしたい」という夢。応募が多く、4月27日の午前と午後にわけて、計12人が体験しました。寝小屋の掃除、馬のブラッシング、そして、運動場の中で散歩です。木曽馬の幸泉号は、飼育担当者がすぐそばにいたこともあって、小さい子どもに素直にひかれて聞きわけのよいようすでした。小さい体の子どもたちが大きな馬をひく光景はじつにすてきなものでした。最後に幸泉号の大好物、ニンジンをやって終了しました。

 ──三つの夢と書きましたが、選考会の席上で、たった1票の応募ながら、どうしようかと迷った夢がありました。それは、「子ども動物園の園長になりたい」という夢。しかし、むしろ1票だからこそ夢をかなえてあげよう、と考え、4月27日、千葉県の鳥山和那さんには一日園長の役目をはたしてもらいました。

 子ども動物園の園長といっても、小さな係の係長です。デスクワークは少ないので、子ども動物園ステージで委嘱状を渡し、子ども動物園の中を細かく視察してもらいました。飼育の係長がつとめる「ゾウの立ち番」も体験。ゾウにバナナを食べさせることもできました。

 その後、本物の園長室を訪れると、園長から絵本のプレゼントがありました。鳥山さんは園内をたくさん歩いてちょっとくたびれたようでしたが、モルモットなどのふれあいコーナーにも参加できて、大満足の一日だったようです。

 今回は子ども動物園開園60周年の特別企画としておこないましたが、参加した子どもたちの誇らしげな顔を見た今では、来年も子ども動物園の誕生日近くに開催できたらいいなと考えています。

〔上野動物園子ども動物園係長 高藤彰〕

(2008年05月02日)



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