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コビトカバの赤ちゃん、元気です!──1/17

 2003年11月20日、コビトカバのエボニー(14歳、1993年3月8日にアメリカのセントルイス動物園から来園)が赤ちゃん(メス)を産みました。エボニーにとって5番めの子どもです。

 母子はふだん、西園コビトカバ舎の裏側にいます(コビトカバのとなりにはアメリカビーバーの「おちょう」が静養中。さらにとなりはモンゴルマーモット。数匹が折りかさなってボーっとしているかも)。

 エボニーはかつて、子育ての際に神経質な行動を見せたこともありました。人間が近寄れないほど興奮したりしたのです。ところが育児に慣れたのでしょうか、かつてとは違って落ちついたようす。生まれてすぐの子どもを飼育係が体重測定のためにかかえたときも、母親は平然としていました(そのときの体重は7.2キログラム)。

 生まれてしばらくは、「おっぱいちょうだいー」とばかり、お母さんの体に吸いつきに行ったそうですが、今では1日3回か4回、それもエボニーがよいしょと横になったとき、おもむろに飲みに行くとか。「あんまり飲まないから、こっちが心配になっちゃうよ」とは担当者の感想です。

 飼育舎内のプールの水(お湯?)は20℃前後。子どももすっかり水に慣れ、むしろなかなかあがろうとしません。プールから水を抜きはじめると、だんだん減っていく水に浸かっていようとして、低い方へすこしずつ後ずさりしていくのでした。水からあがらせようとすると、手足をつっぱって、イヤがることも……。

 ときどき表に出しています(屋外放飼場に出るドアは、ふだん閉まっています)。1月15日も、飼育担当者の誘導で外に出しました。エボニーはさっそく出ていったのですが、赤ちゃんは置いてけぼり。それでいいのか。

 子どもは子どもで、お母さんについていくそぶりが感じられません。1月5日の時点で、子どもの体重はもう22キロ。簡単に抱きあげられない重さです。だいたい、コビトカバの体表には、ヌルヌルした分泌物があって、持ち上げるとすべってしまうのです。その感触は、ちょうど納豆のようだとか。それが変化するのかどうか、水からあがって体が乾くと、こんどは黒い「岩のり」のようなものが体表にあらわれるそうです。

 プールに浸かったままの赤ちゃんを担当者が後からささえて誘導し、ようやく表に出てもらいました。外では母子ともども、落ち葉を口にしたり、土をなめたり。これはミネラル摂取のためかもしれません。ふだん、えさとしては青草とオカラをあたえています。

 エボニーの相手は、ショウヘイ(13歳、1991年12月2日に東山動物園から来園)。交尾を確認したのは2003年5月8日でした。11月19日にはエボニーの陰部に膨らみが見られ、11月20日の朝、担当者が赤ちゃんを確認しました。録画ビデオによれば、午前5時3分生まれです。「生まれたときは“エイリアン”みたいだったよ。丸くなってきて、いまの方がカワイイね」と語る担当者なのでした。

 プールに温水をつかうほか、室内では電気ストーブをつけています。しかし、厳寒の時期ですので、大型の石油ストーブも用意しました。明日(1月17日)の関東地方は雪の予報ですが、だいじょうぶかな……。

 エボニーの前の子どもは、2002年6月20日に生まれた「アヤメ」(メス)。このときの妊娠期間は195日でしたが、今回もまったくおなじ195日でした。6月生まれのアヤメに対し、今回は11月生まれなので「モミジ」と名づけました。

 エボニーとモミジはコビトカバ舎で、ショウヘイとアヤメはコビトカバ舎のとなりのカバ舎でごらんください。

写真上 :散歩行こ、散歩。
写真中上:寒い?
写真中下:まだ体がぬれてます
写真下 :お母さーん

・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」のコビトカバはこちら(鳴き声あり)

(2004年01月17日)



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