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袋角が伸びたエゾシカのトンちゃん──6/27

 先々月(4月)、エゾシカの“トンちゃん”の角がおちた瞬間を、「東京ズーネットBB」でご紹介しました。右側が3月18日、左側が3月20日に落ちました。動画はこちらです。

 その角が「袋角」(ふくろづの)となって伸びてきました。

 シカの角は年1回、春に脱落しますが、その後は、角がはえていた部分の皮膚がのびていきます。この成長期の角が袋角です。袋角には血管が多く走っていて、ビロードのような毛もはえています。

 皮膚をかぶった袋角は、やわらかいとのこと。どれくらいやわらかいのか、担当者に依頼して、ドアの格子ごしに餌をあたえもらいました。うまくいけば、角の「さわりぐあい」を確認できるかも!?

 ……無理でした……。手を出すと、餌かとばかり、思いっきり鼻をちかづけてくるので、左右にある角には届かず……。もっとも、繁殖期になると、めちゃくちゃ気がたち、“荒くれ者”になるので、ちかづくこともできないようですが。

 写真のとおり、袋角はぷくぷくとしています。カブトムシのさなぎを連想するようなかたちです。色は落ちついた趣きのマホガニー仕上げ。

 袋角は、やがて中が骨のように硬くなり、皮膚がはがれて、「枝角」(えだつの)になります。枝角は、一定の年齢までは毎年大きくなり、枝の数も増えるそうですが、角の状態は栄養にも左右されるとのこと。

 トンちゃんがいるのは、東園五重塔のすぐそば。袋角を見るならいま!

(2003年06月27日)



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