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アジアゾウを室内に入れる時間を早めます
 └─上野  2024/10/28
 上野動物園では、「スーリヤ」(メス、1994年生まれ)、「ウタイ」(メス、1998年生まれ)、「アルン」(オス、2020年生まれ。ウタイの子)の3頭のアジアゾウを飼育しています。

 このたびウタイの爪の伸び方に異常が疑われたため、管理の都合上、当面のあいだ、アジアゾウ3頭を午後早めの時間に室内に入れるようにしています。

 10月10日にウタイの右前足の第四指の爪(内側から数えて4番目)が通常とは異なる伸び方をしていることを確認しました。それ以降も、ウタイが痛がるようすはありませんが、ときおり鼻で足の裏を気にする行動が見られます。

 アジアゾウのように体の大きな動物は、その体重を支える4本の足の1本でも痛めてしまうと生活への影響がとても大きくなります。そのため、足の異変はすぐに対処する必要があります。

 上野動物園では、ほぼ毎日アジアゾウの健康管理のためのトレーニングをおこなっています。トレーニングは柵越しに実施します。柵にある窓からすべてての足を順番に出してもらい、削蹄(さくてい:爪を削ること)などの処置をしています。今回の爪の異変も、毎日のトレーニングをつうじて速やかに発見することができました。

 ウタイの爪は少しずつ削り、洗浄や消毒をして毎日清潔に保つ必要があります。そのため、トレーニングの時間に爪をきれいにしたあと、砂のある放飼場には戻さず、そのまま室内に入ってもらうことにしました。それにともない、ウタイとはまだ離れられないアルンと、1頭だと不安になってしまうスーリヤも、ふだんより少し早く室内に入ってしまうことになります。屋外での観覧時間が短くなってしまいますが、ウタイの爪の状態を良くするためですので、ご理解いただければ幸いです。

※ウタイとアルンについては入舎後も観覧できますが、動物の状態により見られない場合があります。


(2024年10月28日)


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