あんなに暑かった夏も、いつのまにかセミにかわって夕方のアオマツムシの声がきかれるようになり、少しずつ秋の気配が感じられるようになってきました。
この夏、上野動物園のもっとも大きなイベントが毎年恒例の夜間開園「真夏の夜の動物園」です。
今年の開催期間は、2013年8月9日(土)から8月18日(日)までの連続9日間。これは2003年に「真夏の夜の動物園」が始まって以来、最長の期間でした。9日間の全入園者数は118,243名。うち16時から閉園する20時までの入園者数は40,405名で、全入園者の約40%が開園延長時間帯に来園されたことになります。
毎年おこなっている「真夏の夜の動物園」も少しずつ改良を加えています。そのひとつが動物たちへのライトアップ。動物に負担をかけることなく見やすくなるよう工夫し、ほの明るいライトを設置したところ、あたりが暗くなってからのカリフォルニアアシカやオオカンガルーが大人気でした。
つぎにイベント。「ゾウの運動場に入ってみよう」のように、ふだん体験できないイベントを用意し、多くの方々に参加していただけるように準備しました。また毎年おこなっている飼育スタッフのお話「藤棚カフェ」も音響設備を新しくし、聞き取りやすい環境を整えました。
ただしそれでも、上野動物園は動物舎を夜間公開できる構造になっていないため、入園者の方々にご不便やご不満を感じさせてしまう面もあります。あまり暗くなると、ライオンやトラは部屋に入れる作業が安全にできなくなりますし、鳥類やゴリラなど昼行性の動物にとってはストレスになるので、比較的早い時間にご覧いただけなくなりました。また、園内の入園者通路もまだまだ暗い箇所があり、ライティングの改良が必要です。
来年の「真夏の夜の動物園」はさらにパワーアップして多くの方々にお楽しみいただけるよう、スタッフ一同で反省会やアンケートの集計をおこなっています。今年のとびきり暑い夏に上野動物園においでいただいた皆さま、本当にどうもありがとうございました。
写真上から:
・イベント「ゾウの運動場に入ってみよう」
・子ども動物園の在来馬を紹介
・夜の西園
・不忍池のそばでコンサート
・東園の屋外会場で飼育係が語る「藤棚カフェ」
〔上野動物園教育普及係 井内岳志〕
(2013年09月11日)
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