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「国産両生爬虫類」展示場が涼しいわけ
 └─2013/07/26

 上野動物園両生爬虫類館「ビバリウム」と聞いただけで、「暑そう〜!」と思う方もかなり多いことでしょう。両生爬虫類は、外部の温度によって体温が変化する変温動物なので、自分で体温を作りだすことができず、日光などの熱エネルギーを利用して体温を上げなければなりません。

 そのため、ビバリウムでは館内をガラス温室にして室温を高く維持しています。みなさんの想像どおり、暑くなっているのです。

 しかし、暑い館内にあって、上野動物園で一番涼しい(?)場所が、同じビバリウム内にあることをご存知でしょうか?

 それは「国産両生爬虫類」の展示場です。ここでは、主に関東に分布するイモリ、サンショウウオ、カエル、カメ、ヘビ、トカゲ等を展示しています。同じ国産でも、ヘビ、トカゲ等は暖かい場所を好み、サンショウウオなどは涼しい場所を好むので、室温を23℃〜26℃の範囲に保ち、各々の動物たちに適した飼育環境になるよう温度を管理しています。

 ビバリウムに入る前には「暑そうで入るのが嫌」と言っていたお客さんも、この展示場に入った瞬間「涼しい〜!」と声を上げ、出るころには「外へ出るのが嫌」とおっしゃるほどです。変温動物を飼育展示するための温度調節ですが、涼んで温度を体感しながら、両生類と爬虫類をじっくり観察してください。

写真:「国産両生爬虫類」展示場風景                      

〔上野動物園両生は虫類館飼育展示係 伊東二三夫〕

(2013年07月26日)



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