3月に入って少しずつ暖かくなり、春の気配が感じられるようになりました。
12月から2月までの間は日暮れが早いこともあり、子ども動物園「なかよし広場」の動物たちは通常より30分早く、午後4時に収容していました。
夕方お腹がすいてくるヤギやヒツジたちは、午後4時に動物舎の扉を開けると、一目散に部屋に駆け込み、準備された餌を食べていました。
さて、いよいよ3月1日から収容時間を元の午後4時30分に戻したので、ヤギやヒツジたちは、それまで部屋に帰れなくなりました。
動物たちの腹時計は正確です。お腹がとてもすいてきて4時前には扉の前に集合、そして扉が開くのを待ちます……しかし扉は開きません。メーメー、べーべー鳴いても扉は開きません。そんなに鳴くとますますお腹がすくような気がしますが、さらに激しく鳴き叫びます。なにかがきっかけになり、集団で広場を右往左往します。そしてさらに鳴きます。この時間には広場にいる来園者の方々も少ないので、騒ぎに巻き込まれる心配が少なくてほっとしているのですが。
そうこうするうちに収容時間の午後4時30分になり扉を開けると、ヤギやヒツジたちは勢いよく駆け込んできます。あせってカーブで滑って転ぶものもいて、そしてようやく餌にありつけます。
動物たちの収容時間を元に戻してから1週間ほど経ちますが、あいかわらずヤギやヒツジたちは4時ころから集合して鳴いています。時間を覚えるまで、もう少しかかりそうです。
写真上:「早く扉開かないかな」
写真中:「開いた!」駆け込むヤギたち
写真下:待ちに待った餌の時間
〔上野動物園子ども動物園係 井上智右〕
(2013年03月08日)
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