上野動物園子ども動物園で、夏に入る前にアルパカの毛刈りをおこなったことはすでにお知らせしました。
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「アルパカとラマのサマーカット」(2012年05月25日)
アルパカは今年3歳ですが、初めて毛刈りをしたので毛がたくさん取れました。その毛を糸紡ぎに使用できないかと考え、東京動物園ボランティアーズ・ドーセントグループのまがりやグループが作業に取り組みました。
8月26日、アルパカの毛をヒツジの原毛とともに洗濯して汚れを落とし、脱水、日陰干しで乾燥させました。いろいろな文献で調べ、洗濯はヒツジの毛より5℃ほど高い水温の洗剤につけておきました。
その後乾燥させたアルパカの毛をまがりやグループが、いつも使っているドロップスピンドルという道具を使って紡いでみました。ドロップスピンドルというのは、棒状の道具で、コマのように回しながら糸を撚るものです。しかし、ヒツジで慣れた方法ではうまくいきません。アルパカの毛は、ヒツジの毛に比べると真っ直ぐなものが多く、また、細い毛や太い毛が混ざり切れやすいのです。手慣れたメンバーが慎重に紡いでみたのですが、撚りがかかりにくいようで、ドロップスピンドルに回転をかけて手を放すと切れてしまいます。
悪戦苦闘の末、ようやく糸らしいものができるようになってきました。新しい試みとしてアルパカの糸紡ぎを来園者に体験していただきたいと考えていますが、まずは、まがりやグループのメンバーが、アルパカの毛に慣れ、来園者のかたに上手に紡ぐところをお見せできるようになることが先決でしょう。いずれ、みなさんにもアルパカの糸紡ぎを体験していただきたいと思います。
写真上:刈られたアルパカの毛
写真中:糸を撚る道具「ドロップスピンドル」
写真下:完成した糸
〔上野動物園子ども動物園係 高藤彰〕
(2012年09月21日)