2011年も上野動物園フラミンゴ舎ではベニイロフラミンゴのひなが孵り、子育てがおこなわれています。ひなといってもかなり大きくなり、見た目はやや小さく灰色をしていますが、完全にフラミンゴです。現在4羽が元気に育っています。
フラミンゴのひなは、母親と父親の両方からフラミンゴミルクと呼ばれる、色素と栄養がたくさん入った真っ赤な液体を口移しでもらいます。ひなの成長とともに、親鳥の鮮やかな羽の色はどんどん色あせ、白っぽい色になっていきます。
ひなは孵化後10日前後で大人と同じ餌をつつき始め、今では問題なく大人にまじって餌を食べられるのですが、まだまだミルクが恋しいようで、よく親にねだっています。しかし母親はそんなひなを徹底的に無視。せっせとミルクを与えるのは孵化後1か月頃までで、その後、白かった羽の色は徐々に紅色に戻りつつあります。
一方父親は、ひながまとわりつくと根負けし、ついついミルクを与えてしまいます。ひなもそれが分かっているのでしょう、最近は父親にねだっている姿しか見かけません。そのため父親はいつまでたっても白いまま。どのペアもそんな状態なのがおもしろいところです。
今年は3年前に飼育係に育てられたフラミンゴ「2号」が彼女をつくり、初めて繁殖に成功しました。この2号カップルも例外ではないようで、ひなのおねだりに根負けしてミルクをやってしまうのは、やはり父親の2号。フラミンゴのイクメンぶりに感心する毎日です。
写真:父親にミルクをねだるひな
〔上野動物園西園飼育展示係 高津磨子〕
(2011年11月04日)
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