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広場に新しいニワトリが加わりました
 └─2010/12/03

 上野動物園子ども動物園のなかよし広場には、6種26羽のニワトリが放し飼いになっています。ここに、桂チャボ4羽、コジドリ3羽、ウコッケイ1羽が仲間入りしました。

 仲間入りしたニワトリたちは、2010年3月末に子ども動物園の孵卵器で孵化した鳥たちです。ひなのうちは、ほかのニワトリたちとは違う餌を与え、保温もしなければいけないので、8羽だけで隔離して育ててきました。

 8か月が経ち、若鶏に成長した彼らを広場にデビューさせることにしました。しかし、広場に出るためには乗り越えなければいけないことがいくつかあります。まずは、ニワトリの群れになじむことです。ニワトリたちは、群れの中で飛び蹴りやつつきあいをして、集団生活に必要な順位を決めています。この順位が決まり、晴れて仲間入りができるのです。

 ニワトリの群れに初めて対面したとき、若鶏たちは大きなニワトリを見て驚いたのか、壁の隅に団子状態で固まっていました。その中から1羽の勇敢なコジドリのオスが戦いに出て行きました。彼は自分より3倍も大きな体のトウテンコウのオスを相手に、果敢に立ち向かっていきます。しかし、子ども動物園のニワトリの中でも一番体が大きくて強いトウテンコウが相手なので、力かなわず負けてしまいました。

 次にトウテンコウに戦いを挑んだのは、なんとふだんはおっとりとしているウコッケイでした。トサカを怪我して戻ってきたコジドリと入れ替わりに勇ましく戦いに出て行きます。トウテンコウが足を蹴り上げ、ウコッケイもそれに対抗しましたが、1回足をからめただけで負けを認め、あっさりと若鶏の群れの一番奥に帰っていきました。

 結局、ウコッケイ以降、次々と別のニワトリに戦いを挑んだのは、コジドリのオス1羽のみ。あとの若鶏たちは隅にかたまり、コジドリの勇敢な戦いぶりを眺めているだけです。結果、コジドリの健闘もむなしく、ニワトリの群れでは最下位に落ち着きました。

 広場に出るためには、まず寝小屋の出入りを覚えなければなりません。今はまだ、出るときは飼育係に追われ、入るときは飼育係のお迎えが必要なのです。そして来園者の方々に抱っこされることにも慣れていかなければいけません。立派な広場の一員となるにはまだまだ時間がかかりそうですが、これからも温かく見守っていただきたいと思います。

写真上:最強、トウテンコウのオス
写真中:若鶏の(左)コジドリ(右)ウコッケイ
写真下:勢ぞろいした若鶏たち

〔上野動物園子ども動物園係 吉田真理子〕

(2010年12月03日)



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