上野動物園の小獣館で2010年7月24日、マタコミツオビアルマジロのオスの子どもが生まれました。体重は82.1グラムでした。
2010年3月11日にも別のメスから1頭生まれました。今年に入って2頭目の誕生です。前回の子どもはメスで、もうすでにおとなと変わらない大きさです。
今回は日中に出産したようです。午後2時、いつもの餌の時間に巣箱の中をのぞくと、おとなの姿をそのままミニチュアサイズにしたような赤ちゃんが丸まっていました。
今回出産した母親は、オスと同居させてペアリングを試みてはいましたが、交尾が確認できず、妊娠したかどうかがわかりませんでした。しかし、交尾が確認できないまま出産にいたるケースも多かったので、今回も出産の準備だけは整えておきました。無事に生まれてくれて、まずは一安心です。
次の心配事は、母親が育ててくれるかどうかです。育児放棄せずに授乳してくれることを祈っていたところ、翌日の体重測定で子の体重が増加したことがわかりホッとしました。乳を飲んでいる証拠です。
また、母親は神経質になっていて、ちょっとした物音でも子どもをくわえて走り回ってしまいます。そのせいかどうかは不明ですが、生後10日目に子どもの左うしろ足のつけ根の皮膚がめくれ、穴が開いてしまっていました。獣医師に縫合してもらい、すぐに母親のもとに戻しましたが、このことが原因で育児放棄につながるのではないかと心配でした。しかしその後、子どもの体重は無事に増え、順調に育っています。
今では子は1頭で巣箱から出てきて、歩いたり、丸まって寝たりしています。親子とも巣箱に入ってしまってごらんになれないこともありますが、運がよいとツーショットが見られるかもしれません。
写真上:生後16日目、丸くなれます
写真中:生後22日目、ただ今授乳中
写真下:親子のツーショット
〔上野動物園西園飼育展示係 下重法子〕
(2010年08月20日)
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