記事タイトルはなんだかかっこよくしてしまいましたが、じつは、上野動物園子ども動物園内の曲屋(まがりや)のエアコンが故障しました。
曲屋では毎日午後1時30分から午後2時30分まで、小動物とのふれあいコーナーをおこなっています。
例年夏は冷房をつけ、扉は全て閉め切っています。ところが今年はエアコンが効きません。まずは、扉という扉を全部開放してみました。が、風が吹かない……。
そこで、せっかくの機会であると前向きにとらえ、冷房を使わないエコなふれあいコーナーをめざしました。
いたるところに扇風機を設置し、動物たちには氷枕を与えてみました。最初は動物たちも不審がって近づきませんでしたが、今では枕の上に腹ばいで寝そべるモルモットまで現れ、なんともかわいい姿を見せています。
入口横の窓辺には大きな「よしず」を立て掛け、出入口には「すだれ」を下げました。
わずかな風でさらさらとはためくすだれの眺めに、ちりんちりんと風鈴の音が加わり、さらに打ち水をすることで入口から吹き抜ける風はひんやりとし、より一層の「涼」を感じることができます。そう、まさに日本の夏、昔の日本がここにあります。
曲屋は子ども動物園の動物たちが寝小屋に帰るまで開放していますので、ちょっと一休みというときにでも、ぜひお立ち寄りください。夕方から夜にかけての曲屋は、風鈴の音に交じって虫の音も聴こえる、おすすめの場所です。
今年(2010年)は8月10日から16日まで開催する上野動物園の「真夏の夜の動物園」。曲屋で素敵なひとときをお過ごしください。
〔上野動物園子ども動物園係 島村直子〕
(2010年08月06日)
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