ニュース
チリメンナガクビガメ登場
 └─2010/07/23

 2010年7月10日、上野動物園両生爬虫類館にチリメンナガクビガメが登場しました。第一展示場に入ると左手にオーストラリアハイギョとスッポンモドキ、そしてアジアアロワナの水槽が続きますが、チリメンナガクビガメはその隣の水槽です。

 登場したのは2頭で、大きいほうがメス、小さいほうがオスです。
 このカメは水の中にいることが多く、ふだん水槽の底付近でじっとしています。見ているとメスのほうが臆病で、木の陰に頭を突っ込んでなかなか出てきませんが、ときどき首をのばしてあたりのようすをうかがいます。

 見どころはなんといっても首がヘビのように長いところです。獲物をとるときは、この長い首をS字に曲げ、バネのようにして一気に獲物にとびかかります。クサガメやイシガメなどに比べると迫力があります。
 ちょっと臆病なメスですが、顔の近くに餌を落としてやると、警戒しながらも一気に餌を飲み込む獰猛な姿が見られます。

 さて、このカメにはもうひとつおもしろい特徴があります。私たちがよく知るクサガメやイシガメなどはびっくりすると首を引っ込めます。ところがこのチリメンナガクビガメは、びっくりしても首をひっこめません。首が長くて引っ込められないのかどうかは分かりませんが、横に折りたたんで甲羅の下に隠します。このような方法で首を曲げるカメを曲頚類といい、ナガクビガメやヘビクビガメのなかまがこれにあたります。それ以外のカメは潜頚類といい、私たちがよく知るクサガメやイシガメがこれに含まれます。

 両生爬虫類館にいる曲頚類のカメとしては、ほかにマタマタやクリイロヨコクビハコガメがいます。ぜひ首のあたりを観察してみてください。

〔上野動物園は虫類館飼育展示係 浅野晃良〕

(2010年07月23日)



ページトップへ