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トカラヤギ、オスの移動とメスの出産
 └─2010/07/09

 子ども動物園入口の左手にある運動場にいたトカラヤギのオス4頭が、新しい展示場に移動しました。その場所はモノレールからも見え、東園と西園をつなぐイソップ橋の下にある展示場です。ここは今までの運動場とは比較にならいほど広く、平面的な運動場とは異なり高低差もあります。
 移動初日と翌日は、おぼつかない足取りで斜面や段差を移動していたヤギたちも、3日目ぐらいからは石垣を駆け上がったり駆け下りたりして「山羊」の運動能力を発揮し、野性味あふれるトカラヤギのオスの姿を見せはじめました。
 今までシチメンチョウ3羽が独占していたイソップ橋下展示場は、トカラヤギ4頭が加わりにぎやかに……というほどでもなく、お互い気にもせずマイペースにくらしています。

 また、2010年6月27日にトカラヤギのメス・チェリーが出産しました。
 午前8時15分、ヤギ舎に行くと1頭目のオスの子ヤギが生まれていて、びしょびしょの体をチェリーにきれいにしてもらっているところでした。
 しかし、チェリーの右腹には妙な出っ張り部分が見られ「まだ生まれそうだな~」と思い、チェリーのいる部屋に乾草と敷きわらを追加しました。チェリーは乾草をバクバクと食べ始め「そんなにお腹空いてたの!?」と驚くほどの食欲を示しました。
 午前9時20分ごろ、チェリーは乾草を食べながら横になって鳴くことが多くなり、そして午前9時33分、2頭目の出産が始まりました。子の脚が5センチメートルほど出たのを確認し、通常の作業に戻りましたが、その後ヤギ舎を確認すると、チェリーは座り込み、頭以外が出た子どもを気にもせず、また乾草を食べていて、その食欲旺盛ぶりに唖然としました。
 午前9時53分、チェリーが立ち上がろうとした瞬間に2頭目の子ヤギの全身が外に出ました。頭が出ないまま数分経っていたので、生きているのか不安になったそのとき、チェリーが子ヤギをなめはじめると、子がピクッと動いたので、とてもほっとしました。
 子ヤギたちの一般公開までもう少しお待ち下さい。

写真上:2頭目の子ヤギの頭がまだ出ていない
写真下:無事出産

〔上野動物園子ども動物園係 前田美幸〕

(2010年07月09日)



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