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北限のサル、サル山で初めての出産
 └─2010/06/04

 2010年1月24日より、上野動物園のサル山で青森県下北半島から導入したニホンザル「北限のサル」を展示しています。このサルたちが5月に入ってから次々と出産をしています。去年生まれた子どもは、動物病院での検疫中もしくは非公開施設で生まれた子どもたちなので、今年生まれの子どもが、サル山での初めての赤ちゃんということになります。5月27日現在で4頭(オス3頭、メス1頭)が確認されています。

 現在サル山にいるニホンザルは、野生から来た群れなのではっきりした年齢も、過去に出産経験がどのくらいあるのかもわかりません。
 しかし、どの母ザルたちも赤ちゃんをしっかり抱き、かなり慣れているようすが見られるので、おそらく野生にいたときにすでに出産の経験があるように思われます(ちなみに、出産経験の多いメスザルほど乳首が垂れ下がってくるため、乳首を見れば過去の出産の有無が、ある程度、推測できるそうです)。

 4頭の母ザルを見ていると、飼育係が山に入ると岩陰に隠れるもの、お構いなしに人のそばを横切るもの、餌を持っているときだけ人の手の届く距離まで寄ってくるもの、生後3日の子を地面に置いて自分は餌に夢中なものなど、子育ての仕方はさまざまです。

 サル山正面の看板に、個体紹介とともに赤ちゃんを抱いている母ザルには目印をつけてありますので、ぜひその看板を参考に親子のサルを探してみてください。生まれたばかりの赤ちゃんは毛が黒っぽい色をしています。

 なお去年(2009年)生まれた子ザルもたまに母親のお腹にしがみついたり、抱かれていることがあります。子どもの大きさにも注意してください。

・写真はアヤメ親子

〔上野動物園東園飼育展示係 藤本卓也〕

(2010年06月04日)



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