上野動物園両生爬虫類館では、外国産両生類を展示する新たなコーナーを設けました。このコーナーは、館内に点在して展示していた外国産の両生類を1か所に集め、さらに種数を増やし、両生類の多様性を見ていただこうというコーナーです。
2年ほど前にも、外国産両生類のコーナーは同じ場所に設置していたのですが、それよりも規模を拡大し、また展示設備も一新し、今回は18種約45点の生き物を展示しています。
両生類の多様性を見せるということで、現生両生類のすべてのグループ、すなわち無尾目(カエルのなかま)、有尾目(イモリやサンショウウオのなかま)、無足目(アシナシイモリのなかま)を展示しています。
無尾目では、有毒で鮮やかな警告色を持つヤドクガエル類、独自の進化をとげ多様な種を有するマダガスカルガエル類、さらに、原始的なスズガエル類、樹上性のアマガエル類、地上性のヒキガエル類を展示しています。
有尾目では、一般にウーパールーパーの名称で知られるメキシコサラマンダーのネオテニー(幼形成熟:幼生の姿のまま大人になること)、後肢の退化したグレーターサイレン、襲われると毒液付きの肋骨が飛び出すイベリアトゲイモリと、同じ有尾目でも形態や生態が大きく異なる3種を展示しています。
無足目は、ミズアシナシイモリを展示しています。本種は四肢が退化した無足目の中でも一生を水中で暮らすなかまです。
両生類全体の多様性からみれば一部ではありますが、少しでも多様性を見ていただくべくさまざまな種類を展示いたしました。
これを機にぜひ両生爬虫類館にて、両生類の多様性に触れてみませんか?
写真上から
・無尾目のシロクチイロメガエル
・有尾目のグレーターサイレン
・無足目のミズアシナシイモリ
・新設コーナー
〔上野動物園は虫類館飼育展示係 大渕希郷〕
(2010年06月04日)
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