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ワオキツネザルの母子が「レムールの森」に登場
 └─2009/11/13

 上野動物園西園、不忍池のほとりに今年(2009年)5月、「アイアイのすむ森」がオープンしました。マダガスカルの動物たちを飼育・展示する施設です。池の中にはバオバブの擬木がそびえたつ島があり、そこには東園のサル舎にいたワオキツネザルすべてを移す予定でした。しかし、2009年5月10日、メスの「スー」が双子を出産したため、これら3頭は東園に残しました(ニュース)。

 その後、サル舎の改修工事を進めるため、スー親子がアイアイのすむ森に引っ越してきました。しかし、他の動物園から来た個体を含めて群れが形成されている島の中に放すにはまだ小さいため、島の近くからさらに橋を渡った先にある施設「レムールの森」に移すことにしました。

 10月19日、ブラウンキツネザル室内展示室の隣にある非公開の部屋へとりあえず移動。新しい環境に慣れてもらうことにしました。双子の体重は 800グラムと 900グラムで、まだ母親の背中が恋しいらしく、機会があればしがみついています。

 初日は、母子3頭で隅でかたまっていましたが、日に日に動く範囲が広くなり、すっかり我が物顔で過ごすようになってきたので、10月30日に屋外展示場への扉を開けました。扉を開けて数時間後、やっと外に出たものの、まだおっかなびっくりのようすで、外に出ては室内に戻るのくりかえしでした。

 今では外の生活にも慣れ、ワオキツネザルのいる島よりも、さらに間近でじっくりワオキツネザル親子を観察できます。しばらくここで生活する予定なので、おんぶが見られるうちに、ぜひごらんください。

 なお、ブラウンキツネザルは日中は室内で展示していますが、夜間、ワオキツネザルの親子を室内に戻してから、屋外と室内を自由に行き来させています。

写真上:室内の母子(2009年10月21日撮影)
写真中:外に出た母子(2009年11月6日撮影)
写真下:外に出た子(2009年11月6日撮影)

〔上野動物園西園飼育展示係 細田孝久〕

(2009年11月13日)



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