3月21日、五重塔前のタンチョウの放飼場で、シジュウカラガンのペアを捕獲しました。カルガモがシジュウカラガンを攻撃するので、保護して手当てするためです。しかし、なぜ体の小さなカルガモがシジュウカラガンを攻撃するのか?──それは、カルガモの生い立ちに関係があります。昨年5月24日発行の
メールマガジンNo.9で、つぎのようにお知らせしました。
ガンカモ類は、孵化直後に目にした動く物体についていき、一生それに似たものに愛着を示すことが知られています。(略)担当者の推理によれば、野生のカルガモが孵化したところにシジュウカラガンが通りかかったのではないか、とのこと。(略)突如として親となったシジュウカラガンは、カラスがちかくにやってくると、カルガモのひなをかばい、“いいお母さんぶり”を発揮しています。
(ニュース掲載時に、シジュウカラガンのメスがカルガモを育てているとお伝えしましたが、“お母さんぶり”を発揮していたのは「オス」でした。)
この刷り込みのせいで、シジュウカラガンのオスを慕うカルガモは、“母親”(=オス)のパートナーであるシジュウカラガンのメスが近づいてくると、くちばしで攻撃するようになってしまいました。ふつうカルガモはこんな攻撃性を見せないそうです。
とにかく、シジュウカラガン2羽は無事ケージに収容。このペアに平和が戻り、まずは一安心です。
(写真は母親となったシジュウカラガンのオスとカルガモのひな)
(くわしくはメールマガジン
ZooExpressのNo.52をご覧ください)