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東天紅が仲間入り!
 └─2009/02/13

 みなさんは「東天紅」(とうてんこう)と聞いて何を思い浮かべますか? 上野の不忍池のそばにあるレストランではありません。日本で古くから飼われているニワトリの品種です。

 上野動物園では、狭山市立智光山公園こども動物園からオス1羽メス2羽の東天紅をゆずり受け、子ども動物園の「なかよし広場」で展示を始めました。いま、子ども動物園では在来家畜の保全にとりくんでいます。大きなものは、在来の馬や牛、豚やヤギなど。そして、ニワトリも在来の品種を集めようとしています。

 東天紅は1936年に天然記念物に指定されました。東天紅は「長鳴鶏」(ながなきどり)とも呼ばれ、オスによる「コケコッコ~」という鳴き声がとても長いことで有名です。25秒も鳴いたという記録も残っています。

 子ども動物園にやってきた東天紅は10秒ほどの長さで鳴きますが、それでも他の鶏とくらべるとかなりの長さです。東天紅という名前も、「夜明けの東の空が紅に染まるころ、天性の美声で歌う」というところから命名されたといわれています。

 この東天紅を「なかよし広場」にいるニワトリの群れの中に初めて放したとき、ニワトリ特有のあいさつが始まりました。そのあいさつとは、群れの中の順位を決める「つつき合い」です。つつき合いによる順位(ペックオーダー)決めは、ニワトリの習性なのです。つつき合いの際は、両者が見合い、首のまわりの羽を広げ、自分を大きく見せた後、とびげりやつつき合いで優劣が決まります。ペックオーダーが決まることで、集団生活がうまくいくようです。

 みなさんも子ども動物園に「天性の美声」を聞きにいらっしゃいませんか。そして、東天紅のように声を出してみてください。なかなか息が続きませんよ。

写真上:東天紅の雌雄
写真中:東天紅(手前)とロードアイランドレッドの闘い
写真下:長く鳴いている最中の東天紅

〔上野動物園子ども動物園係 高橋美紀〕

狭山市立智光山公園こども動物園

(2009年02月13日)



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