(追記:ヒジリタマオシコガネの展示は終了しました。)
「スカラベ」──それはタマオシコガネやフンコロガシとも呼ばれる、コガネムシのなかまです。ファーブル昆虫記に登場するスカラベは、「ヒジリタマオシコガネ」とも訳されています。昆虫として知名度が高く、みなさんも聞いたことがあるでしょう。
この虫は、動物の糞を切り取り、丸めて転がす習性があります。この糞の玉を適当な場所まで運び、地面に穴を掘り、そこに埋めて餌として食べるのです。また、季節がくると玉の中に卵が産みつけられ、玉の中で孵化した幼虫はまわりの糞を食べて大きくなります。
こうして、スカラベたちは動物の糞を分解し、土にかえす手助けをしています。オーストラリアでは、大量に発生するウシやヒツジの糞の処理に大きな貢献をしています。
「糞にまみれて汚い」なんてとんでもない! じつは、とっても環境にやさしい昆虫なんです。多摩動物公園では、このスカラベのなかまを展示しています。コロコロ糞を転がすそのすがたを、昆虫園でぜひごらんください。
〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 野村友宏〕
(2008年05月30日)
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