ニュース
カッコウアザミに集まるツマムラサキマダラ
 └─2008/05/09

 多摩動物公園の昆虫生態園では、ツマムラサキマダラを飼育しています。翅に紫色の光沢があるため、オオムラサキとまちがわれることもあるチョウです。

 昨年(2007年)12月から今年1月にかけて、昆虫生態園では、ツマムラサキマダラの食樹であるガジュマル、キョウチクトウ、オオイタビに幼虫が大量自然発生しまた。そこで、大きく育った終令幼虫を集め、育ててやると短期間で蛹になりました。

 2008年1~2月には 200以上の個体が羽化。成虫は昆虫生態園に放しました。しかし、どうしたわけか、明るく暖かい日でも、薄暗い場所に生えた植物の葉裏にとまっていることが多く、あまり飛び回るすがたが見られませんでした。

 たくさん放したわりに目立ちたないと思っていたところ、3月に入ると少しずつ飛ぶ個体が増え、ランタナの花から吸蜜するすがたが見られるようになりました。

 観覧通路の足もとに生えているカッコウアザミ(別名アゲラータム)が咲き出すと、花に集まるようになりました。花に集まるのは多くがオスです。カッコウアザミの花には誘引物質があるのかもしれません。花にとまったツマムラサキマダラは、蜜を吸うように「ストロー」状の口吻を伸ばしています。あまり近寄ると飛んで行ってしまいますので、そっと近寄って観察してください。

写真上:幼虫
写真中:金属光沢の蛹
写真下:カッコウアザミの花に集まるツマムラサキマダラ

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 チョウ班担当者〕

(2008年05月09日)



ページトップへ