2007年9月3日、「ライオンバスが故障して動かなくなった」という電話がライオン監視室に飛び込みました。私たち飼育係は故障バスと救援バスを援護するため、ジープ2台で出動!──といっても、これは「ライオンバス非常時対策訓練」の一幕です。
まず、ジープを使って、故障バスのまわりにいるライオンを遠ざけます。つづいて、救援バスが故障バスにロープをつなぎ、平坦な場所まで牽引しました。
つぎは乗客の車両移動です。ライオンバスの最後部には、非常事態にそなえて非常口がもうけてあります。2台のバスは、「おしり」を合わせるようにドッキングし、非常口を開けることで車両から車両へと安全に移動することができるのです。
故障車の牽引作業、そして乗客の乗り換えのあいだ、ジープに乗った私たち飼育係は、故障車、救援車、ライオン監視室、バスステーション、そしてジープどうしで連絡を取り合いながら、ライオンが近づかないようジープを動かし、バスを援護しました。
乗り換えが終了したことを確認後、救援バスは乗客を駅舎に運び、無事に降車。ジープも車庫に戻ります。各所の安全を確認し、バスの運行再開後、園長による講評で訓練は終了です。
ライオンバスはライオンの群れの中を移動しますが、乗客のみなさんに危険があってはいけません。危険な事故が起こらないようにするためにも、毎年訓練をおこなっています。また、安全に運行できるよう、飼育係はつねに監視をしています。
私がライオンバス非常時対策訓練に参加するのは今回が初めてですが、いざという時にあわてず救援活動をおこなうために、また、乗客のみなさんに安心してバスに乗っていただくために、こうした訓練が大切だと実感しました。
写真上:故障バスを牽引
写真中:バスの後部ドッキングのためにジープで援護
写真下:乗客の移動
〔多摩動物公園北園飼育展示係 清水泰輔〕
・東京ズーネットBB、動画「
ライオンバスにトラブル発生?」
(2003年9月におこなった訓練のようすです)
(2007年9月7日)