多摩動物公園昆虫生態園の大温室では、約20種 1,000匹ものチョウが舞い、トノサマバッタや八重山諸島石垣島産のイシガキモリバッタ、沖縄産のマダラコオロギなど、さまざまな昆虫が見られます。
ところが、困ったことが……。温室内でオオカマキリが増えているのです。肉食性のこのオオカマキリは温室内で自然繁殖し、他の昆虫を食べてしまいます。成虫だけでなく、大きく育った幼虫による被害も生じており、温室内の昆虫は種類の別なく襲われます。
野外では、気温が低くなると、野外で見かけるオオカマキリの卵嚢(らんのう)内の卵は数が少なくなります。秋も終わりに近づくと、野外の卵嚢には、 100 個ほどの卵が入っています。しかし、昆虫園の温室内は、真冬でも最低気温が20℃。温室内で見つかる卵嚢も、野外なら気温の高い時期に匹敵する大きさで、約 300個もの卵が入っている可能性があります。ここから幼虫がたくさん出てくるわけですから、しっかり見つけて取り除かなければなりません。
しかし、2007年2月中旬から3月中旬につかまえたオオカマキリは、なんと成虫18匹、大きな幼虫13匹、そして卵嚢1個。寒い時期でも、温室の中にはオオカマキリがこんなにいるのです。
まだまだ続けるしかない、オオカマキリの捕獲作戦。多摩動物公園の昆虫園でオオカマキリの成虫や幼虫を見つけたら、職員に教えていただければ助かります!
〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 三枝博幸〕
(2007年4月20日)
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