2003年8月23日から、生きたモグラ(アズマモグラ)を展示した「モグラのいえ」がオープンしました。アジア園のインコ舎前にある建物の1階です。
もちろんモグラは地中でくらす動物。展示にも工夫が必要です。これまで、旧昆虫園本館やウォッチングホールで展示をしてきたノウハウをいかしました。
展示ケースは、奥行き数センチの木枠。そこに透明なアクリル板をはり、中に土を入れます。木枠の奥行きと、土の量の加減がむずかしいところ。あんまり奥行きがあると、モグラのトンネルが見えなくなってしまいますし、土を入れすぎると穴を掘るための余裕がなくなってしまいます。
この木枠に2か所穴をあけ、金網を丸めたパイプを接続します。パイプは壁をつきぬけて、裏側の飼育準備室にまでのびています。タイミングがよければ、空中散歩が見られるかも!
アズマモグラはミミズが大好き。ミミズの体にかみついて動きをとめ、鼻先でミミズの頭をさがしだし、頭から食べ始めます。その際、両手でミミズを揉みしごくようにして、ミミズの中の泥を出して食べるとのこと。
動物園でも、以前はミミズをやっていましたが、いまはミールワームが中心です。
これまでゴルフ場からモグラをいただいたりしていましたが、どうやらモグラにとって8時間が1周期、いってみれば人間の1日にあたるようで、遠いカントリークラブから運んでくると、弱ってしまうこともありました。
いまは、園内で採集したり、8時間以内に持って帰れる場所から運んだりして、飼育も順調です。
モグラたちも、飼育環境に慣れてきたようです。「身近な」生きものだけど、じっくり観察する機会のないモグラ。彼らの散歩を間近でごらんください。
写真上:「モグラのいえ」入口
写真中:展示場
写真下:飼育準備室
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