5月17日、トナカイの「マーチ」が赤ちゃんを産みました。2003年にすでに1頭生まれましたが、このときは残念ながら死亡してしまいました。赤ちゃんの雌雄はまだ不明です。
現在、トナカイ放飼場の奥にお母さんといっしょにいるのが見られます。ただし、雨の日などは、肺炎を避けるため、外に出さないことがあります。
ふつうシカ類はオスだけに角がありますが、トナカイはメスも角をもっています。ユーラシアや北米の北部に生息していますが、寒いところでくらすため、鼻先は毛でおおわれ、雪の上を歩くためにひづめは扁平をしているうえ、ひづめのあいだに剛毛が生えています。
トナカイは古くから狩猟の対象となるとともに、家畜化が進められてきました。ほかの家畜とくらべてユニークなのは、古くから今日まで、狩猟の対象とされていることです。
北極圏の人々は、トナカイの肉を食用とし、乳製品をつくり、皮を衣類、骨を縫い針、腱をひもに加工するのみならず、移動・運搬に使ったり、儀礼に使用したり、聖なる存在ととらえられたり、多岐にわたる利用が見られます。これらの使用法は、民族によってまちまちで、独自の文化をつくりあげているようです。
北極圏では重要な動物であるトナカイ。赤ちゃんはまもなく放飼場の手前で展示する予定です。お楽しみに!
・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」の
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