7月14日は「
世界チンパンジーの日」です。野生チンパンジー研究の第一人者であるジェーン・グドール博士が、チンパンジーの生息地であるアフリカのゴンベ(現ゴンベ渓流国立公園)の地へ初めて降り立った日を記念し、2018年に制定されました。
 |  |
多摩動物公園のチンパンジー | チンパンジー舎に「JULY 14」 |
この記念日にはチンパンジーのくらしを支え、守っている人々の活動を盛り上げるため世界各地でイベントがおこなわれています。一般の方々にチンパンジーの魅力や野生での厳しい現実について知っていただくことも大きな目的のひとつです。
野生チンパンジーが直面している問題はそのほとんどが私たち人間の活動が原因です。とくに、先進国の人々が多く使う安い木材・植物性オイルの採取や、携帯電話などの精密機器に必要不可欠なレアメタルの採掘などのために、彼らのすむ森が日々失われています。
このほかにも、森が開発されて人間が森に進出し、チンパンジーとの接触が増えたことで、彼らがこれまで遭遇したことのない感染症にかかって死亡してしまうこともあります。ペットとしての需要があるチンパンジーの子どもを密猟するために、母親を含めおとなのチンパンジーが10頭以上殺されてしまう事件もおきています。
多摩動物公園では世界チンパンジーの日が制定された2018年から、特設パネルの設置や来園者にチンパンジーの魅力を発見してもらえるような体験型のイベントを実施してきました。イベントを通してより多くの方に動物について興味を持ってもらうことは、動物園の保全活動のひとつでもあります。
昨年は、観察シートを使ってチンパンジーの食べ物について観察するイベントをボランティアの方々の協力を得ておこないました。また、「チンパンジーを守るためにわたしたちにできること」と題して、木の葉型のメッセージカードに自由に意見を書いていただきました。「環境に優しいものを買う・使う」「身近な人にチンパンジーの話をする」など多くのメッセージがあつまりました。
多摩動物公園では2020年7月9日から8月4日まで、特設パネルや募金箱の設置、ぬりえとTwitterを使ったチンパンジーについて考えるイベントなどを実施します。ぜひこの機会にチンパンジーについて関心をもっていただけたらと思います。 イベントの詳細はこちらをご覧ください。 |  集まったメッセージカードが樹になりました |

「世界チンパンジーの日」ロゴ
(#WorldChimpanzeeDay)
〔多摩動物公園北園飼育展示係 平川達也〕
(2020年07月03日)