いきなりですが、質問です。
日本でもっとも種類の多い哺乳類は、何のなかまでしょうか?
正解はネズミ・・・ではなく、コウモリです。
日本にネズミのなかまは24種、コウモリは35種いるとされています。私も35種もコウモリがいるとは知らず、初めて聞いたときは驚きました。
多摩動物公園ではコウモリの1種、アブラコウモリの飼育展示をおこなっています。
日本に住んでいる他のコウモリが減っていると言われるなか、このアブラコウモリは都内にもたくさん生息しています。これはアブラコウモリが我々人間の家を住みかに生きる住家性の動物であり、都市に適合していることが要因と考えられます。

ウォークインバードケージ入り口にあるアブラコウモリの展示 そんなアブラコウモリですが、7月の初めに3頭の子供が産まれました。
出産したのは昨年10月に捕獲をした個体なのですが、そのときすでに交尾を終えていた状態だったと思われます。アブラコウモリは「着床遅延」という特殊な繁殖方法を持っており、秋に交尾してもすぐには子宮に着床せず、春になってから着床し、発生が始まるのです。
日中はあまり動かず、隅に集まっているため見えにくいですが、親より一回りほど小さく、黒っぽい毛の色が特徴です。ぜひ探してみてください。
ご存知のとおりコウモリは夜行性のため、夕方の方が活動している姿や子どもの姿を見ることができるかも知れません。
固まるコウモリの中央にいる仔3匹 ところで、多摩動物公園では8月の毎週日曜日、開園時間を3時間延長する
「サマーナイト@TamaZoo 2016」において、野生のコウモリの観察会「コウモリを観察しよう!」を実施します。知っているようで知らないコウモリを、一緒に観察しませんか?
サマーナイトのコウモリ観察会でお待ちしております!
〔多摩動物公園南園飼育展示係 田村隼人〕
(2016年08月05日)