2015年6月29日、多摩動物公園のサバンナエリアに新しいキリンが仲間入りしました。埼玉県こども動物自然公園からやってきたこのキリンは2歳になったばかりのオスで、名前は「ジル」です。

左:来園初日のジル 右:見合い中のジル(右)とアミ
初めて入った部屋の中でもジルは落ち着いており、えさも食べていました。そこで、次の日には外に出し、柵越しに他のキリンたちと見合いをさせたところ、ほとんどのキリンと無事に顔合わせができました。
オスのおとなのキリン「カンスケ」だけがジルに向かってネッキング(首や頭を振って相手にぶつけること)をしていましたが、それもしばらくすると落ち着き、よい距離を置いて接することができるようになりました。
逆にジルは他のキリンの姿が見えなくなるのが嫌なのか、1頭で部屋に入ってえさを食べようとはあまりしませんでした。こうして、見合いも無事に終えられたので、7月8日、他のキリンと一緒にすることにしました。

群れ入りの日。ジル(左)とナツキ
サバンナエリアは数種類の動物をいっしょに展示していますが、当日はキリンだけを先に放飼場に出し、その中にジルを合流させる方法をとりました。他の動物種がいない落ち着いた環境で群れに入れるためです。
ジルが放飼場に入ってくると、メスの「ナツキ」がジルの後について歩き始めました。攻撃するつもりはないようで、むしろ守っているようにも見えました。ジルもあまりナツキを嫌がっていないらしく、ジルとナツキは連なって放飼場内を歩き回りました。
もう一頭、「アミ」という世話好きのメスがジルを気にしていたのですが、ナツキが間に入って来るので近づくことができません。心配していたジルとカンスケとのケンカもなく、ひとまず無事に群れ入りすることができました。
ナツキは周囲を気にするというよりマイペースなキリンなので、ジルにこのように興味を示すのは予想外でした。また、ジルがやって来た結果、他のキリンたちに今までにないいような変化が見られ、よい刺激になったようです。ジルが立派なオスに成長していくのを見守るとともに、キリンの群れに活気が生まれることも期待しています。
〔多摩動物公園北園飼育展示係 志田昌信〕
(2015年07月24日)