毎日暑い日が続いています。そんな日々の中、多摩動物公園では放飼場にレッサーパンダたちの姿が見えないときがあります。暑い夏を彼らがどこでどのように過ごしているのか、ご紹介します。
レッサーパンダは、亜高山帯の涼しい森林でくらしている動物です。体にはびっしりと毛が生えているため、寒いのは得意ですが暑い季節は苦手です。そこで梅雨が明けて気温が高くなると、寝室の扉を開けておき、レッサーパンダがいつでも室内へ入れるようにしています。寝室は冷房が効いていて過ごしやすい温度になっているのです。
それなら涼しい室内からずっと出てこないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、日が陰り、風が出てきて少し過ごしやすくなってくると、放飼場の奥にある小さな扉から外に出てきます。そして木の上にスルスルと登り、洗濯物を干したように枝に引っかかって寝ているところがよく見られます。やはり自然の風は気持ちがいいのでしょうか。
連日の暑さで食欲も落ち気味のレッサーパンダたちなので、なかなか活動的な姿をごらんいただけない季節ですが、お客さん側に近い木陰や木の洞など、思わぬところで涼を取りながら寝ていることもありますので探してみてください。その際は、みなさんの暑さ対策もしっかりと……。
写真上:室内で涼を取るレッサーパンダ
写真下:干したようなレッサーパンダ
〔多摩動物公園南園飼育展示係 高津磨子〕
(2013年08月02日)
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